古文助動詞は、一覧表を全部暗記しようとすると重く感じます。中学生の段階では、まず本文で見つける、意味を選ぶ、現代語訳に入れるところから始めると取り組みやすくなります。
この記事では、中学生が最初に押さえたい助動詞を「ず・き・けり・つ・ぬ・たり・む・べし」に絞り、意味、接続、例文、練習問題で確認します。
先に結論
- 中学生は、まず頻出の助動詞に範囲を絞る。
- 意味だけでなく、前の語の形である「接続」も見る。
- 「む」「べし」は意味が複数あるので、文脈で選ぶ。
- 例文と現代語訳をセットにすると覚えやすい。
助動詞とは何か
助動詞は、動詞・形容詞・形容動詞などに付いて、打消、過去、完了、推量などの意味を加える語です。
たとえば「花咲きけり」の「けり」は、過去や詠嘆の意味を加えます。ただ「花が咲く」だけでなく、「花が咲いたのだなあ」のように、話し手の気づきまで表すことがあります。
中学生がまず覚えたい古文助動詞
最初からすべての助動詞を同じ重さで覚える必要はありません。まずは、短い古文や定期テストで見かけやすいものから確認しましょう。
| 助動詞 | まず覚える意味 | 主な接続 | 例 | 訳し方の入口 |
|---|---|---|---|---|
| ず | 打消 | 未然形 | 知らず | 知らない |
| き | 過去 | 連用形 | 見き | 見た |
| けり | 過去・詠嘆 | 連用形 | ありけり | あった、あったのだなあ |
| つ | 完了・強意 | 連用形 | 書きつ | 書いてしまった |
| ぬ | 完了・強意 | 連用形 | 散りぬ | 散ってしまった |
| たり | 完了・存続 | 連用形 | 咲きたり | 咲いた、咲いている |
| む | 推量・意志など | 未然形 | 行かむ | 行くだろう、行こう |
| べし | 推量・当然など | 終止形など | 行くべし | 行くだろう、行くべきだ |
接続をセットで覚える
助動詞は、前の語のどの形に付くかがある程度決まっています。これを接続といいます。接続を知っていると、文中で助動詞を見つけやすくなります。
| 接続 | 助動詞 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 未然形につく | ず・む | 「まだ起きていない、打ち消す、これから考える」とまとめる。 |
| 連用形につく | き・けり・つ・ぬ・たり | 過去や完了は、動作が続いた後に付くと考える。 |
| 終止形などにつく | べし | 文末の形に付きやすい助動詞として別に覚える。 |
| 体言・連体形などにつく | 断定のなり | 中学生は余裕があれば確認する範囲にする。 |
注意
助動詞には例外や細かい活用があります。中学生向けの記事では、まず本文を読むための入口に絞っています。学校のテスト範囲で細かい接続が指定された場合は、授業プリントや教科書の表に合わせて確認してください。
間違えやすい助動詞の比べ方
助動詞は、似ているものを比べると覚えやすくなります。意味を一つだけで覚えるより、どこで迷うかを先に知っておきましょう。
| 比べる助動詞 | 共通点 | 違いの見方 |
|---|---|---|
| き / けり | どちらも過去を表すことがある。 | けりは詠嘆や物語の語りで出ることがある。 |
| つ / ぬ | どちらも完了・強意を表す。 | 中学生はまず「完了」と判断できればよい。 |
| ず / ぬ | どちらも「ぬ」の形が関わる。 | 打消の「ず」の活用か、完了の「ぬ」かを文脈で見る。 |
| む / べし | どちらも推量で訳せることがある。 | むは意志、べしは当然・命令・可能などにも広がる。 |
助動詞を見つける手順
本文中で助動詞を探すときは、いきなり意味を決めず、形から順に見ます。
| 手順 | 見ること | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 文末や用言の後ろを探す。 | ありけり、行かむ、帰るべし |
| 2 | 見覚えのある助動詞に印をつける。 | けり、む、べし |
| 3 | 前の語の形を確認する。 | 未然形か、連用形か、終止形か |
| 4 | 文脈に合う意味を選ぶ。 | むを「だろう」か「しよう」かで選ぶ |
| 5 | 現代語訳に入れる。 | 行かむ → 行こう、行くだろう |
余裕があれば確認したい助動詞
学校の範囲や問題集によっては、次の助動詞も出ます。中学生は、まず本文に出たものから確認し、範囲を広げすぎないようにしましょう。
| 助動詞 | 意味 | 扱い方 |
|---|---|---|
| る・らる | 受身・尊敬・可能・自発 | 学校で出たら、意味を一つに決めつけない。 |
| なり | 断定・伝聞推定 | 接続で意味が変わるため、本文と一緒に確認する。 |
| り | 完了・存続 | 接続が特殊なので、定期テスト範囲に出たら重点的に見る。 |
| まし | 反実仮想など | 高校古文で詳しく扱うことが多い。中学生は無理に広げすぎない。 |
練習問題
助動詞を抜き出し、意味を考えてから答えを開いてください。訳は文脈によって変わるものがあるので、答えでは代表的な考え方を示します。
| 問題 | 文 | すること |
|---|---|---|
| 1 | 昔、男ありけり。 | 助動詞を抜き出し、意味を書く。 |
| 2 | 花散りぬ。 | 助動詞を抜き出し、意味を書く。 |
| 3 | 人を知らず。 | 助動詞を抜き出し、意味を書く。 |
| 4 | 明日行かむ。 | 助動詞を抜き出し、訳し方を考える。 |
| 5 | 急ぎ帰るべし。 | 助動詞を抜き出し、文脈に合う意味を考える。 |
| 6 | 文を書きたり。 | 助動詞を抜き出し、完了か存続かを考える。 |
古文単語と一緒に覚える
助動詞だけを見ても、本文の意味は取りにくいことがあります。古文単語の意味も一緒に確認すると、現代語訳が作りやすくなります。
基本語を復習したい人は、中学生が覚えたい古文単語40選と古文単語テストも確認してください。
本文で確認する
助動詞は、一覧表だけでなく本文の中で見つける練習が必要です。『枕草子』や『徒然草』の短い本文で、文末の形や現代語訳を確認すると定着しやすくなります。
枕草子「冬はつとめて」や徒然草「仁和寺にある法師」も、語句と現代語訳を見ながら確認できます。
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まとめ
古文助動詞は、範囲を広げすぎず、まず頻出のものを意味・接続・例文で確認するのがおすすめです。
- ず、き、けり、つ、ぬ、たり、む、べしをまず押さえる。
- 意味だけでなく、前の語の形である接続を見る。
- む、べしのように意味が複数あるものは文脈で選ぶ。
- 本文の中で見つけ、現代語訳に入れる練習をする。



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