夏休みの作文の書き出しは、「夏休みに〜しました」と始めても間違いではありません。ただ、そこから先が続かないときは、出来事の説明ではなくその瞬間に見えたもの、聞こえた音、自分の気持ちから始めてみましょう。
大きな旅行や特別な体験がなくても、作文は書けます。いつもと少し違った場面を一つ選び、始まる前と終わった後の自分を比べれば、文章の中心が見つかります。
先に答え:書き出しはこの順で決める
- 夏休みの出来事を一つに絞る。
- 一番記憶に残った瞬間を選ぶ。
- 見えたもの・聞こえた音・気持ちのどれかを書く。
- 次の文で「何があったか」を説明する。
夏休み作文の書き出し5つの型
全部を使う必要はありません。自分の体験に一番近い型を一つ選びます。出来事が思いつかないときは、まず五感型でその日の様子を思い出すと、材料が見つかりやすくなります。
| 型 | 何から始める? | 使いやすい体験 | 書き出しの例 |
|---|---|---|---|
| 場面型 | その瞬間の様子 | 海・祭り・試合・発表 | ドアを開けた瞬間、潮のにおいがした。 |
| 五感型 | 見た・聞いた・におい・手ざわり | 外出・料理・自然観察 | せみの声が、朝から庭いっぱいに響いた。 |
| 会話型 | 誰かの言葉 | 家族との会話・友達の一言 | 「一人でやってみる?」と父が言った。 |
| 気持ち型 | その日の気持ち | 初めてのこと・失敗・挑戦 | 私は、楽しみより先に少し不安になった。 |
| 変化型 | 前と後の違い | 練習・手伝い・自由研究 | 始める前は面倒だったが、終わるころには考えが変わった。 |
テーマ別の書き出し例
旅行
駅のホームに立つと、いつもの町が少しだけ遠くに見えました。私は、これから始まる旅行のことで胸がいっぱいになりました。
家での出来事
台所から、とうもろこしをゆでる甘いにおいがしてきました。私は宿題の手を止めて、母の手伝いに行きました。
挑戦
「あと一回だけやってみよう」と言って、私は自転車のペダルを踏みました。何度も転んだ夏休みでしたが、この日は少し違いました。
手伝い
朝の庭は、昼間よりも土がやわらかく感じました。祖父と並んで草を抜くうちに、いつも見ていた庭の別の顔に気づきました。
特別な予定がない日
冷蔵庫を開けても、食べたいものは見つかりませんでした。そこで私は、家にある材料だけで昼ごはんを作ることにしました。
書き出しの一文は、作文全体を完成させる文ではありません。読み手に「このあと何が起きるのだろう」と伝え、自分が一番書きたい場面へ進むための入口です。
書き出しの後につなぐ一文
最初の一文ができたら、同じ場面をもう少し具体的にします。急に別の日の話へ飛ばず、書き出しに出した言葉を手がかりにして続けます。
| 書き出し | 次に書くこと | つなぎの一文 |
|---|---|---|
| 場面を描く | その場に至るまで | この日は、家族で〜へ出かけました。 |
| 音やにおいを書く | 見たもの・したこと | 音のする方を見ると、〜が見えました。 |
| 会話を書く | 言葉を聞いた自分の反応 | 私はその言葉を聞いて、〜と思いました。 |
| 不安な気持ちを書く | 不安になった理由 | なぜなら、〜するのは初めてだったからです。 |
| 考えの変化を書く | 変化のきっかけ | そう思うようになったのは、〜があったからです。 |
たとえば「潮のにおいがした」と書いたら、次に海が見えたこと、誰と歩いたこと、そのときの気持ちへ進みます。「不安だった」と書いたら、なぜ不安だったのか、最後にどう変わったのかを続けます。
作文を書く前の5つのメモ
原稿用紙を開いてから考えると、途中で話がそれやすくなります。まずは紙の真ん中に出来事を書き、周りに短い言葉を足していきます。
| メモ | 短く書くこと | 具体化する質問 |
|---|---|---|
| いつ・どこで | 8月3日、祖父母の家 | 天気や周りの様子は? |
| 誰と | 母と弟と | 誰が何をした? |
| 出来事 | 流しそうめんをした | 一番印象に残った瞬間は? |
| 気持ち | 最初は失敗しそうだった | 体の様子や言葉にすると? |
| 気づき | 準備も大切だと知った | 次に同じことをするときは? |
メモはきれいな文章にしなくて大丈夫です。「緊張」「弟が笑った」「暑かった」のような単語から始め、あとで「なぜ」「どんなふうに」を足します。
学年別:書き出しの作り方
| 学年の目安 | 向いている型 | 一文の作り方 |
|---|---|---|
| 1・2年生 | 五感型・場面型 | 見えたものや聞こえた音を一つ書く。 |
| 3・4年生 | 会話型・気持ち型 | 出来事の前後に、自分の気持ちを加える。 |
| 5・6年生 | 変化型・疑問型 | 体験から考えたことや、前後の変化を示す。 |
低学年は一つの場面を短い文で説明し、中学年は気持ちの理由を加え、高学年は体験から考えたことまで広げると無理がありません。学年よりも、実際の課題の文字数と自分の書きやすさを優先します。
「楽しかった」を具体的にする
夏休み作文でよく使う「楽しかった」は、消す必要のある言葉ではありません。ただ、その一言だけでは、読み手に出来事の様子が伝わりにくくなります。「何を見たか」「誰がどんな声を出したか」「自分の体がどうなったか」を一つずつ足してみましょう。
たとえば「川遊びが楽しかった」なら、「冷たい水に足を入れたとき、思わず声が出た。弟が先に石の下の魚を見つけたので、私は負けたくなくなった」のように書けます。楽しかった理由を小さな場面に分けると、書き出しにも本文にも使える材料になります。
思い出せないときは、写真や家族との会話を手がかりにしても構いません。ただし、写真に写っていることを並べるだけで終わらず、そのとき自分が何を考えたのかを一つ加えると、作文らしい文章になります。
よくある書き出しの直し方
| よくある始め方 | なぜ困る? | 直し方 |
|---|---|---|
| 夏休みに、家族で旅行に行きました。 | 出来事の説明だけで、印象が見えにくい。 | 一番記憶に残った場面や音から始める。 |
| 私は夏休みに楽しい思い出ができました。 | 何が楽しかったのかがまだ分からない。 | 「いつ・どこで・何が」を一つ足す。 |
| ぼくは、宿題をしました。 | 行動だけで気持ちや変化がない。 | 始める前と終わった後の考えを比べる。 |
| いきなり全部を説明する。 | 一文が長くなり、中心がぼやける。 | 一番書きたい場面を一つ選ぶ。 |
「うまい表現」を入れることより、いつ・どこで・何があり、自分がどう感じたかが伝わることの方が大切です。迷ったら、家族に出来事を話すように一度声に出してみると、自然な言葉が出てきます。
提出前のチェック
| 確認すること | できていればOK |
|---|---|
| 出来事 | 夏休みの体験を一つに絞っている。 |
| 書き出し | 場面・五感・会話・気持ちのどれかが入っている。 |
| 具体性 | 「楽しかった」だけでなく、理由や様子を書いている。 |
| 流れ | 書き出しの後に、出来事と気持ちが自然につながっている。 |
| まとめ | 体験を通して気づいたことや、これからの考えがある。 |
- 一番書きたい場面を一つ選んだ。
- 出来事の前後で気持ちがどう変わったか確認した。
- 学校指定の文字数と原稿用紙の使い方を確認した。
よくある質問
「夏休みに〜」から始めてもいいですか。
もちろん構いません。ただ、その次に一番印象に残った場面や気持ちを置くと、日記のような説明から作文へ広げやすくなります。
特別な思い出がありません。
旅行や大きな行事でなくても、料理、手伝い、練習、雨の日の過ごし方など、普段と少し違った瞬間を探します。変化が小さい体験ほど、観察を書くと自分らしくなります。
書き出しは何文字くらいですか。
全体の長さによりますが、最初の段落を全体の2割ほどにすると考えやすいです。学校指定の文字数・原稿用紙がある場合は、その指示を優先します。
会話から始めてもいいですか。
使えます。誰が、どんな声で、なぜその言葉を言ったのかを続けると、会話だけで終わりません。実際にあった言葉を思い出して書きます。
「楽しかった」以外の言葉が出ません。
そのとき見えたもの、聞こえた音、体の様子を思い出します。「手が汗ばんだ」「声が小さくなった」のような観察から、気持ちを説明できます。
例文をそのまま使ってもいいですか。
例文は始め方の型を見るために使います。場所、相手、出来事、気持ちは自分の体験に置き換えて、自分の言葉で書き直してください。
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まとめ
夏休み作文の書き出しは、特別な言葉を探すより、記憶に残った一瞬を小さく切り取ると決めやすくなります。
- 出来事を一つに絞る。
- 場面・五感・会話・気持ちの型から選ぶ。
- 次の文で、何があったかと理由を具体化する。
- 特別な体験がなくても、観察と気持ちがあれば作文になる。

