「本文中から抜き出しなさい」で毎回迷っていませんか?

国語

国語のテストで、こんな経験はありませんか?

  • 答えになりそうな箇所は見つかるのに、どこからどこまで書けばいいかわからない
  • 答えを書いたら字数が合わず、もう少し長く・短く抜き出すべきだったと気づいた
  • 「最初の五字を書きなさい」という問題で、どの文を探せばいいかわからない
  • 本文を何度も読み返すうちに時間をロスしてしまう

抜き出し問題は、記述問題と違って「自分の言葉で書く必要がない」ぶん、一見簡単そうに見えます。しかし実際には、「答えの場所を見つける技術」と「抜き出す範囲を決める技術」の両方が必要で、この2つが曖昧なまま解いている人が非常に多いです。

この記事では、抜き出し問題を素早く正確に解くための手順を、問題の種類別に具体例とともに解説します。

抜き出し問題は「3種類」に分類できる

まず、抜き出し問題がどんな形で出題されるかを整理しておきましょう。抜き出し問題は大きく3種類に分かれます。この種類によって、解き方のアプローチが変わります。

  • 種類① 場所特定型:「〜について書かれている一文を抜き出しなさい」のように、特定の内容が書かれた文・語句を探して抜き出す
  • 種類② 言い換え型:「傍線部『それ』が指す内容を本文中から抜き出しなさい」のように、指示語・代名詞・抽象的な語句が具体的に説明されている箇所を探して抜き出す
  • 種類③ 条件付き型:「〇字で抜き出しなさい」「最初の五字を答えなさい」のように、字数や場所の条件が指定されている

問題を見たら最初にこの3種類のどれかを判断してください。種類によって「どこを探すか」「どこで止めるか」の基準が変わります。

種類① 場所特定型の解き方

ステップ1 問いのキーワードを抽出する

「〜について書かれた一文」という問いが出たら、まず問い文から「何について書かれた一文を探すのか」というキーワードを一つ抜き出します。

たとえば「筆者が読書の効果として挙げている一文を抜き出しなさい」という問いなら、キーワードは「読書の効果」です。

ステップ2 キーワードと同じ意味の言葉を本文から探す

次に、そのキーワードまたはキーワードと同じ意味の言葉が本文のどこにあるかを探します。このとき、キーワードと全く同じ表現でなくても構いません。「読書の効果」なら「本を読むことで〜になる」「読書によって〜が育つ」のような言い換え表現も対象です。

ステップ3 該当箇所の「文の境界」を確認して抜き出す

キーワードを含む箇所が見つかったら、「。」で区切られた一文の最初から最後までを確認して、丸ごと抜き出します。文の途中から抜き出したり、複数の文をつなげて抜き出したりすると減点されます。

「一文」と指定されているなら「。」から次の「。」まで、「一語句」と指定されているなら意味のまとまりが崩れない最小限の範囲、と覚えておきましょう。

種類② 言い換え型の解き方

言い換え型は、抜き出し問題の中で最も出題頻度が高く、かつ最も「抜き出す範囲」で迷いやすい種類です。

ステップ1 何を言い換えているかを確認する

「傍線部〇〇の内容を説明している部分を抜き出しなさい」という問いなら、傍線部が指している言葉・概念が本文のどこかで詳しく説明されているはずです。まず傍線部の直前・直後・前の段落を順番に確認します(指示語の解き方と同じ手順です)。

ステップ2 抜き出す範囲は「名詞止め」か「〜こと止め」で判断する

言い換え型で最も迷うのが「どこで止めるか」です。判断基準を覚えておきましょう。

  • 問いが「〜とはどういうことか」という形なら → 「〜こと。」または「〜から。」で終わる文または節を抜き出す
  • 問いが「〜を何と呼んでいるか」「〜を表す言葉を抜き出せ」という形なら → 名詞一語または名詞句を抜き出す
  • 問いが「〜の理由を抜き出せ」という形なら → 「〜から。」「〜ため。」で終わる節・文を抜き出す

ステップ3 置き換えテストで確認する

抜き出した内容を傍線部に当てはめて読んで、意味が通じるかを確認します。通じれば正解、おかしければ範囲を広げるか狭めて再度確認します。置き換えテストは抜き出し問題の最終確認として必ず行う習慣をつけましょう。

種類③ 条件付き型の解き方

「○字で抜き出しなさい」「最初の五字を書きなさい」のように字数や場所の条件が指定されている問題は、条件自体が「答えがある場所のヒント」になっています。

「○字で抜き出しなさい」の解き方

字数が指定されている場合、その字数ぴったりになる表現が本文の中に一箇所だけあるはずです。解き方の手順は次の通りです。

  • 手順1:問いのキーワードで答えが書かれている段落をまず特定する
  • 手順2:その段落の中で、指定字数と同じ長さの意味のまとまりを探す
  • 手順3:見つかったら置き換えテストで確認する

注意点として、句読点(。、)は字数に含めるかどうかを問題文で確認してください。「句読点も一字に数える」か「句読点は数えない」かは問題によって異なります。指定がなければ句読点も一字として数えるのが一般的です。

「最初の○字を書きなさい」の解き方

「最初の五字」のように冒頭の一部だけを答える形式は、答えの文・節全体を探してから冒頭を切り取る形で解きます。

  • 手順1:まず答えになる文・節全体を本文の中から特定する(場所特定型・言い換え型と同じ手順)
  • 手順2:特定した文・節の冒頭から指定字数分だけを書き出す
  • 手順3:書き出した五字の後に「……」や「〜」などは書かない(問題の指示に従う)

「最初の五字」という形式は、答えとなる文が複数の段落にまたがって複数候補があるときに、採点者が特定しやすくするための工夫です。そのため、答えの冒頭五字が本文の中で一箇所しか登場しないように問題が設計されています。もし五字が一致する箇所が複数あれば、問いの条件(段落指定など)を再確認しましょう。

抜き出す範囲を間違えやすい「4つのケース」と対処法

ケース① 主語・目的語が直前の文にある場合

答えとなる文に主語がなく、直前の文から主語を補わないと意味が通じないケースがあります。このとき、主語を含む直前の文まで含めて抜き出すべきかどうかを判断する必要があります。

判断基準:問いが「〜について説明している一文」なら主語がなくても該当の一文だけを抜き出します。問いが「〜とは何かを説明している部分」なら主語を含む前の文から続けて抜き出す必要がある場合もあります。置き換えテストで意味が通じるかどうかを確認して判断しましょう。

ケース② 答えが二文にまたがっている場合

一文だけでは答えが不完全で、続く二文目まで含めないと意味が完結しないケースがあります。

判断基準:問いに「一文で」という指定がなければ、意味が完結するまで含めて抜き出して構いません。「一文で」という指定がある場合は、最も核心に近い一文だけを選びます。その場合は、問いのキーワードが直接含まれている方の文を優先します。

ケース③ 接続詞・指示語で始まる文が答えの場合

答えとなる文が「しかし〜」「このように〜」「それは〜」のような接続詞・指示語で始まっている場合、接続詞・指示語を含めて抜き出すかどうか迷うことがあります。

判断基準:接続詞・指示語も含めて一文丸ごと抜き出すのが原則です。接続詞・指示語を省いて抜き出すと、文の始まりが変わり「最初の五字」を問われたときに対応できなくなります。

ケース④ 体言止め・倒置の文が答えの場合

詩や文学的な文章では、体言止め(名詞で終わる)や倒置(語順が逆)の文が答えになることがあります。

判断基準:体言止めの文は「。」がない場合でも、改行や文の区切りを「。」と同じ扱いにします。倒置の文は語順が逆になっていても、本文に書かれている通りの語順で抜き出します。自分で語順を直して書き直してはいけません。

実践問題:抜き出す範囲を決めてみよう

次の文章を読んで、設問に答えてください。

「人が何かを習得するとき、最初はどうしてもぎこちなく、思うようにいかないものだ。しかし、繰り返し練習することで、意識しなくてもできるようになる段階がやってくる。これを『自動化』と呼ぶ。自転車の乗り方を一度体で覚えてしまえば、何年経っても忘れないのがその典型例だ。自動化が起きると、意識のリソースが別のことに使えるようになり、さらに複雑な技術の習得が可能になる。」

【設問1】「自動化」とはどのような状態を指すか。本文中から一文で抜き出しなさい。

【設問2】「自動化」の具体例として筆者が挙げているものを、本文中から抜き出しなさい。

【設問3】「自動化」が起きることによる利点を、本文中から20字以内で抜き出しなさい。

解き方を整理してみましょう。

  • 設問1(言い換え型):「自動化」を説明している一文を探す。「これを『自動化』と呼ぶ」の直前の文「繰り返し練習することで、意識しなくてもできるようになる段階がやってくる。」が定義の説明に当たる。置き換えテストで確認:「繰り返し練習することで意識しなくてもできるようになる段階がやってくること」を「自動化」と呼ぶ → 意味が通じる → 正解
  • 設問2(場所特定型):「具体例」のサインとなる「典型例」という言葉が含まれている文を探す。「自転車の乗り方を一度体で覚えてしまえば、何年経っても忘れないのがその典型例だ。」が該当。抜き出す範囲は一文丸ごと
  • 設問3(条件付き型):「自動化が起きることによる利点」=「自動化が起きると〜」で始まる文から探す。「意識のリソースが別のことに使えるようになり、さらに複雑な技術の習得が可能になる。」の前半「意識のリソースが別のことに使えるようになり」が18字。20字以内に収まる → 正解候補。ただし「さらに複雑な技術の習得が可能になる。」も利点の説明なので、問いの字数制限20字に収まる範囲まで含めるか判断が必要。「意識のリソースが別のことに使えるようになること」(22字)は超過するため、前半の18字部分を採用するか、「さらに複雑な技術の習得が可能になる。」(18字)を採用する。どちらも20字以内で意味が通じる → どちらも正解になり得る

設問3のように、条件付き型では字数制限内に収まる表現が複数あることがあります。そのときは、問いのキーワード(「利点」)に最も直接的に対応している表現を選びましょう。

まとめ――抜き出し問題は「種類の判断」と「範囲の決め方」が全て

抜き出し問題で得点するためのポイントを整理しておきましょう。

  • まず問題の種類を判断する:場所特定型・言い換え型・条件付き型のどれかを確認してから解き始める
  • 場所特定型:問いのキーワードを抽出 → 本文で同じ意味の表現を探す → 一文の境界を確認して抜き出す
  • 言い換え型:傍線部の直前・直後・前段落を順番に確認 → 抜き出す範囲は問いの形(〜こと・名詞・〜から)で決める → 置き換えテストで確認
  • 条件付き型:まず答えとなる文・節全体を特定してから、指定の条件に合わせて切り出す
  • 迷ったときは必ず置き換えテスト:抜き出した内容を傍線部・問いに当てはめて意味が通じるかを確認する

抜き出し問題は「本文を読む力」だけでなく、「どこで止めるかの判断力」が得点を左右します。今日から問題を解くとき、答えを書いた後に必ず「なぜここからここまでを抜き出したのか」を一言説明できるかどうか確認してみてください。その習慣が、抜き出し問題での取りこぼしをなくす確かな力になります。

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