国語辞典の引き方は、ページをめくって偶然見つけるものではありません。言葉を基本の形に戻し、最初の音から順番に比べ、意味と用例を読むという手順があります。
意味を調べたら、そこで終わりにせず、自分の文を一つ作ると使い方まで確認できます。この記事では、あいうえお順の探し方、ノートへのまとめ方、学年別の練習方法を整理します。
先に答え:国語辞典を引く5手順
- 調べたい言葉を基本の形にする。
- 最初の音からページを探す。
- 2番目、3番目の音を比べる。
- 意味と用例を読む。
- 自分の文を一つ作る。
あいうえお順で言葉を探す
国語辞典の見出し語は、基本的に五十音順に並んでいます。最初の音が同じ言葉は、次の音、その次の音を比べます。
| 見る順番 | 確認すること | 例:ことば「あこがれる」 |
|---|---|---|
| 1 | 最初の音 | あから始まる言葉を探す |
| 2 | 2番目以降の音 | あ→こ→がの順に比べる |
| 3 | 濁音・半濁音 | 「か」と「が」では、辞典の決まりを確認する |
| 4 | 長音・小さい文字 | 辞典の凡例にある並び方を見る |
| 5 | 見出し語 | 太字などで示された基本の形を読む |
濁音、半濁音、長音、小さい「ゃ・ゅ・ょ」などの扱いは、辞典のはじめに説明があります。分からないまま進めず、凡例を一度見ておくと、似た言葉を探すときに迷いにくくなります。
国語辞典の引き方:5つの手順
| 手順 | すること | つまずいたとき |
|---|---|---|
| 1 | 調べたい言葉を基本の形にする | 「走った」なら「走る」を考える |
| 2 | 最初の音からページを探す | 索引やページ上の見出しを使う |
| 3 | 見出し語の前後を読む | 似た言葉も一緒に確認する |
| 4 | 意味を自分の言葉で言う | 難しい説明の言葉をさらに調べる |
| 5 | 用例を読み、自分の文を作る | その言葉を使う場面を考える |
「見出し語」は、辞典で説明されている言葉の基本の形です。文章の中で「走った」「走ります」と出てきても、見出しでは「走る」を探します。言葉の形を戻すことが、最初の大切な作業です。
例:「あこがれる」を調べる
まず「あ」から始まるページを開き、「あこ」と続く場所を探します。見つけたら意味を読み、どんな場面で使う言葉かを用例で確認します。「なりたいと思う」という意味だけでなく、「私は宇宙飛行士にあこがれている」のような文にすると、使い方が分かります。
調べた言葉をノートにまとめる
| ノートの欄 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 調べた日 | 日付 | 8月6日 |
| 言葉 | 見出し語 | あこがれる |
| 意味 | 短くまとめた意味 | なりたいと思う |
| 用例 | 辞典の文を写しすぎず、使い方を確認 | 私は消防士にあこがれている。 |
| 自分の文 | 自分の経験で使う | 姉の働く姿にあこがれる。 |
意味を丸ごと写すと、説明の中の難しい言葉まで分からないまま残ることがあります。まず辞典の説明を読み、その後に「つまり、どういうこと?」と自分に聞き、短く言い換えます。
用例はそのまま写すだけでなく、自分の生活に置き換えた文も作ります。辞典の例文と同じ内容にする必要はありません。学校、家族、友達、読書など、実際に使いそうな場面を選びます。
学年別:辞典の使い方
| 学年 | 練習の目標 | 大人の支え方 |
|---|---|---|
| 1・2年生 | 絵や会話と意味を結びつける | 見出し語を一緒に探し、説明を声に出して読む |
| 3・4年生 | あいうえお順で自分で探す | 最初の音だけヒントを出し、答えは本人に見つけさせる |
| 5・6年生 | 意味・用例・使い分けまで比べる | 複数の意味がある言葉を文脈と一緒に考える |
低学年は調べる楽しさを感じること、中学年は自分で見つけること、高学年は文脈に合う意味と用例を選ぶことを目標にします。速さを競わせず、手順を覚えることを優先します。
よくあるつまずきと直し方
| よくある状態 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 言葉が見つからない | 活用した形のまま探している | 基本の形に戻してみる |
| 意味を写すだけ | 説明の言葉が難しい | 自分の言葉で一度言い直す |
| 用例を使えない | 場面を考えていない | 誰が、いつ、何をしたかを決める |
| すぐ答えを見る | 探す順番が曖昧 | 最初の音と次の音を声に出す |
辞典を引くのに時間がかかるのは、能力が低いからではありません。どこを見るか、どの形で探すかがまだ決まっていないだけです。最初の音だけ一緒に探し、次から本人に任せる方法も使えます。
よくある質問
何年生から国語辞典を使いますか。
決まった学年はありませんが、授業で使い方を学ぶ前後に始める家庭が多いようです。低学年は大人と一緒に、調べたい言葉を見つけるところから始めます。
「走った」は、そのまま引けますか。
辞典には基本の形で載っていることが多いため、「走る」を探します。「食べました」なら「食べる」のように、言い切りの形を考えます。
あいうえお順で見つかりません。
最初の音だけでなく、2番目、3番目の音まで比べます。濁音や長音、小さい文字の扱いは辞典によって説明があるため、最初に凡例を確認します。
意味を写すだけでもよいですか。
最初は写して構いませんが、最後に自分の言葉で言い換えます。意味を理解できたか確かめるため、自分の文を一つ作ると使い方も覚えやすくなります。
一つの言葉に意味が複数あります。
調べる文の中で使われている意味を選びます。例文を読み、文章に合う説明かどうかを比べます。
紙の辞典と検索はどう使い分けますか。
急いで事実を確認するときは検索、意味や用例を比べて言葉を覚えるときは辞典、というように目的で使い分けます。
言葉を増やす記事
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まとめ
国語辞典は、言葉の意味を一度見るだけでなく、探す順番と使い方を練習する道具です。
- 言葉を基本の形に戻す。
- 最初の音から順番に比べる。
- 意味だけでなく用例も読む。
- 自分の文を作り、使い方を確かめる。
- ノートには短い意味と自分の例文を残す。
実際に調べるときの会話例
子どもが「勇気の意味が分からない」と言ったら、すぐに答えを教えず、「その言葉はどんな文に出てきた?」と聞きます。文を一緒に読むと、同じ言葉でも場面によって意味が変わることに気づけます。その後で国語辞典を開き、説明の中から文章に合う意味を選びます。
たとえば「友達が勇気を出して発表した」という文なら、勇気の意味を読んだ後に、「発表の前はどんな気持ちだったと思う?」と尋ねます。意味、場面、気持ちをつなげると、辞典の説明が自分の経験と結びつきます。
一回の練習は一語から
一日に何十語も調べる必要はありません。読書や宿題で出会った言葉を一語選び、見出し語を探し、意味を短く言い換え、自分の文を作るところまで行います。翌日にその文を読み返すと、言葉の使い方が定着しているか確認できます。
辞典を開く習慣を作る工夫
辞典を机の奥にしまうと、調べたいと思ったときに取り出すのが面倒になります。読書をする場所や宿題をする机の近くに置き、しおりを一つはさんでおきます。調べた言葉に付箋を増やす方法もありますが、付箋の数を競争にしないことが大切です。
親子で同じ言葉を調べる日を作るのも一つの方法です。大人が先に答えを出すのではなく、「どのページにありそう?」と予想してから探します。見つけた言葉の意味を一文で言い直し、最後に自分の文を作る流れを繰り返すと、辞典の使い方が生活に入りやすくなります。
調べた後に確認する三つのこと
- その言葉を、自分の文の中で使えるか。
- 似た意味の言葉と、どこが違うか。
- 次に同じ言葉を見たとき、意味を思い出せるか。
三つ全部をノートに長く書く必要はありません。自分の文を一つ読み返し、言葉の使い方が自然かを確かめます。意味がまだ曖昧なら、辞典の別の用例を読み、文に合う説明を選び直します。調べることは、答えを写して終わる作業ではなく、言葉を使えるようにする練習です。
最初から速く引けなくても心配はいりません。見出し語を探す手順を声に出し、見つけた意味を自分の文で言い直すことを続ければ、少しずつ辞典を開くことが負担ではなくなります。
家庭での練習は、読書や宿題の中で出会った言葉を一語選ぶところから始めます。調べる、言い換える、自分の文を作る、翌日に読み返すという短い流れなら、辞典を使うことが苦手な子も取り組みやすくなります。
一語ずつ調べる経験が、読書や作文で言葉を選ぶ力につながります。
焦らず、まず一語を最後まで調べてみましょう。

