ありがとう作文は、感謝する相手のよいところを並べる作文ではありません。
「いつ、何をしてもらったか」「そのとき自分はどう感じたか」「今まで気づかなかったこと」「これからどうしたいか」を、一つの体験から書く作文です。
先に結論:「いつもありがとう」だけで終わらず、ありがとうと思った一場面と、自分の考えや行動の変化を書くと、自分だけの作文になります。
ありがとう作文で書く4つの内容
| 内容 | 書くこと | 自分への質問 |
|---|---|---|
| 相手 | 家族、友達、先生、働く人、物や場所など | だれ・何に感謝を伝えたい? |
| 具体的な体験 | 助けてもらった一場面、見えない仕事に気づいた瞬間 | いつ、どこで、何が起きた? |
| 気づき・変化 | 当たり前だと思っていたこと、前後で変わった考え | その体験の前はどう思っていた? |
| これから | 言葉で伝える、手伝う、大切に使うなどの行動 | 感謝をどんな行動で返したい? |
「ありがとう」の相手を決める方法
最初から「一番お世話になった人」を決めようとすると、内容が広くなりがちです。まず、最近の一週間を朝・学校・放課後・夜に分け、助かった場面を探します。
| 時間・場所 | 探すこと | 具体例 |
|---|---|---|
| 朝 | 自分が起きる前、家を出る前にしてもらったこと | 朝食、声かけ、持ち物の確認、通学路の見守り |
| 学校 | 困ったとき、失敗したときに支えてくれたこと | 友達の一言、先生の説明、給食や掃除の仕事 |
| 放課後 | 安全・練習・移動を支える人や物 | 習い事の先生、運転する人、迎えに来る家族 |
| 夜 | 一日の終わりに安心できたこと | 話を聞く、食事、洗濯、明日の準備 |
相手を先に決めるより、「助かった瞬間」を先に見つける方が、具体的な作文になります。
この記事独自の「ありがとう前後メモ」
感謝を深めるために、体験を「前・瞬間・後」の三つに分けます。さらに、最後に感謝を返す行動を一つ決めます。
| メモ | 書く内容 | 例:雨の日の見守りの人 |
|---|---|---|
| 1. 前 | それまで当たり前だと思っていたこと | 毎朝そこに立っているのが普通だと思っていた |
| 2. 気づいた瞬間 | 相手の行動、表情、言葉、周りの様子 | 強い雨の中、ぬれながら車を止めてくれた |
| 3. 後 | 自分の気持ちや見方の変化 | 安全に渡れるのは、見守る人がいるからだと分かった |
| 4. 返す行動 | 言葉・手伝い・大切に使うなど | 目を見てあいさつし、ありがとうと伝える |
このメモを使うと、「相手が優しいからありがとう」という説明から、「何を見て、どう考えが変わったか」まで広げられます。
小学生が書きやすいありがとう作文のテーマ例24選
家族への「ありがとう」
| テーマ | 思い出す場面 |
|---|---|
| 朝早く起こしてくれる家族 | 眠い朝の声、準備してくれた物、遅れずにすんだ日 |
| 毎日の食事を作る人 | 自分が体調をくずした日、苦手な物を工夫してくれた日 |
| 雨の日に迎えに来てくれた人 | 待っていた時間、ぬれた服、会った瞬間の安心 |
| 失敗したとき話を聞いてくれた人 | 話す前の気持ち、相手の言葉、話した後の変化 |
| 一緒に練習してくれたきょうだい | できなかったこと、励まし、できた瞬間 |
| 離れて暮らす祖父母 | 電話、手紙、送ってくれた物、会った日の会話 |
学校・友達への「ありがとう」
| テーマ | 思い出す場面 |
|---|---|
| 忘れ物を教えてくれた友達 | 気づいた瞬間、助かったこと、次に自分がしたこと |
| 一人のとき声をかけてくれた友達 | 声をかけられる前後の気持ち、遊んだこと |
| 分かるまで教えてくれた先生 | つまずいた所、先生の言葉、分かった瞬間 |
| 毎日教室を整える人 | 黒板、花、窓、机など、普段見落としていた仕事 |
| 給食を作る人・運ぶ人 | 温かさ、献立、苦手な物への工夫、片づけ |
| 校門や横断歩道で見守る人 | 天気、あいさつ、安全のためにしていること |
地域・働く人への「ありがとう」
| テーマ | 思い出す場面 |
|---|---|
| ごみを集める人 | 暑い日や雨の日の作業、町がきれいになるまで |
| 荷物や手紙を届ける人 | 待っていた物、届けるまでの道、受け取った言葉 |
| 図書館で本を整える人 | 探してくれた本、修理された本、静かな仕事 |
| 店で困ったとき助けてくれた人 | 探し物、説明、会計での出来事 |
| バスや電車を動かす人 | 安全確認、案内、時間どおりに着けたこと |
| 地域を掃除・手入れする人 | 花壇、公園、道路など、使う前後の違い |
物・場所・自然への「ありがとう」
| テーマ | 思い出す場面 |
|---|---|
| 毎日使うランドセルや文房具 | 傷や汚れ、長く使った時間、手入れしたこと |
| 安心して過ごせる家 | 雨や寒さの日、家に帰った瞬間の感覚 |
| 学校や図書館などの場所 | そこでできるようになったこと、出会った人 |
| 育てている植物やペット | 毎日の変化、世話を通して気づいたこと |
| 水や電気 | 使えなかった経験、当たり前ではないと気づいた瞬間 |
| 季節や自然 | 日陰、風、雨、木などに助けられた具体的な場面 |
ありがとう作文の書き方5ステップ
| 手順 | すること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 一場面を選ぶ | 相手との思い出全部ではなく、一つの出来事にしぼる | 会話や景色を思い出せる場面を選ぶ |
| 2. 前後メモを書く | 前・気づいた瞬間・後・返す行動を短く書く | 文章にせず、一言でもよい |
| 3. 一番伝えたい気づきを決める | 相手の行動から何を知ったか決める | 「私は初めて〜に気づいた」と言ってみる |
| 4. 4段落で書く | 場面、出来事、気づき、これからの順で書く | 「ありがとう」を繰り返しすぎない |
| 5. 自分の言葉か確認する | 実際の会話、感覚、迷いが入っているか見る | 例文と同じ言葉を自分の体験へ置き換える |
ありがとう作文の4段落構成
| 段落 | 書く内容 | 書き出しの例 |
|---|---|---|
| 1. はじめ | 感謝したい相手と、心に残った場面 | 雨が強く降った朝、私は横断歩道の前で立ち止まりました。 |
| 2. 体験 | 相手がしたこと、会話、見たもの、自分の反応 | 黄色い旗が上がり、車がゆっくり止まりました。 |
| 3. 気づき | 当たり前だと思っていたことと、考えの変化 | 私は、毎朝安全に渡れる理由を初めて考えました。 |
| 4. まとめ | 伝えたい感謝と、これからの行動 | これからは、顔を見てあいさつし、感謝を言葉にします。 |
材料が出ないときは、無料の作文ワークシートへ、相手の言葉と自分の気持ちを先に書き出しましょう。
学年別のオリジナル例文
例文について:以下は実在する児童の作品や体験談ではありません。本記事のために身近な場面から作成したオリジナルのモデル例文です。丸写しせず、相手・会話・景色・気持ちを自分の体験へ置き換えてください。
低学年のオリジナル例文
「おねえちゃんの赤いえんぴつ」
わたしがしゅくだいをしていると、赤いえんぴつのしんがおれました。けずっても、またすぐにおれました。
「わたしのをつかっていいよ。」と、おねえちゃんがいいました。おねえちゃんは、じぶんのふでばこから、みじかい赤えんぴつを出してくれました。
わたしは、しゅくだいをさいごまでできました。つぎの日、わたしはおねえちゃんの赤えんぴつをけずって、ふでばこにもどしました。
おねえちゃん、かしてくれてありがとう。こんどは、わたしもだれかがこまっていたら、だいじなものをかしてあげたいです。
例文のポイント:貸してもらった出来事だけでなく、感謝を返す行動まで書いています。
中学年のオリジナル例文
「図書館の透明なテープ」
図書館で借りた本を開くと、一ページだけ透明なテープで直されていました。テープは紙の端にぴったり重なっていて、注意して見なければ気づかないほどでした。
返すとき、カウンターの人に「この本は、ここで直したのですか」と聞きました。「ページが取れないように、一冊ずつ直しているんですよ」と教えてくれました。私は、図書館の人は本を貸す仕事だけをしていると思っていました。
家では、少し破れた本をそのままにすることがあります。でも、図書館では、次に読む人が困らないように、見えない所で本が直されています。私は、きれいな本を読めるのは当たり前ではないと気づきました。
本を直してくれた人、ありがとうございます。これからは、借りた本を両手で持ち、ページを急いでめくらないようにします。
例文のポイント:小さな修理跡から見えない仕事に気づき、物を大切にする行動へつなげています。
高学年のオリジナル例文
「雨の日の黄色い旗」
大雨の日の朝、通学路の横断歩道に、いつもの見守りの人が立っていました。私はかさを前へ傾け、足元ばかり見て歩いていました。
横断歩道へ着くと、黄色い旗が上がりました。見守りの人は道路側に一歩出て、車が止まったことを確かめてから、「ゆっくりでいいよ」と言いました。かっぱの肩から水が流れ、くつもぬれていました。それでも、私たちが渡り終わるまで旗を下ろしませんでした。
私は、それまで見守りの人が毎朝いることを当たり前だと思っていました。しかし、自分なら強い雨の中で何十分も立てるだろうかと考えると、簡単なことではありません。安全に学校へ着ける毎日の後ろには、時間を使って見守る人がいると初めて気づきました。
次の朝、私は立ち止まり、顔を見て「昨日もありがとうございました」と伝えました。相手が笑って「今日も気をつけてね」と言ったとき、言葉にしてよかったと思いました。これからは、助けてもらったことを当たり前にせず、その場で感謝を伝えたいです。
例文のポイント:天気や相手の様子を具体的に描き、気づきが実際の感謝の言葉へ変わる過程を書いています。
例文を自分の体験へ置き換える方法
| 例文で見る部分 | 自分の体験に変えること | 確認する質問 |
|---|---|---|
| 相手 | 家族、友達、先生、地域の人、物や場所 | 自分が本当に助かった相手は? |
| 一場面 | いつ・どこで・何が起きたか | その日の天気や周りの様子は? |
| 言葉・行動 | 実際に聞いた短い言葉、相手の手や表情 | 相手は具体的に何をした? |
| 気づき | 以前は当たり前だと思っていたこと | 体験の前後で見方が変わった? |
| 返す行動 | 感謝を伝える、手伝う、大切にする | 作文を書いた後に何をする? |
「ありがとう」だけで終わるNG例と直し方
| NG例 | 不足していること | 直し方 |
|---|---|---|
| お母さん、いつもありがとう。 | 何に感謝しているか分からない | 体調をくずした日に作ってくれた食事など、一場面を書く |
| 先生はとても優しいです。 | 相手の行動と自分の変化がない | 困ったときに言われた言葉と、その後できたことを書く |
| 友達にはいつも助けられています。 | 出来事が広すぎる | 忘れ物をした日など、一つの体験にしぼる |
| ありがとうを何度も繰り返す | 気持ちの理由が深まらない | 感謝の言葉は要所に置き、体験・気づき・行動を増やす |
保護者の声かけ
「誰にありがとうと言いたい?」だけでは、家族の名前を答えて止まることがあります。相手を決める前に、助かった場面を聞いてください。
- 最近、困ったときに誰が何をしてくれた?
- その人がいなかったら、どうなっていた?
- 今まで気づかなかった仕事はあった?
- ありがとうを伝えたら、相手はどんな顔をした?
- 自分も誰かのためにしてみたいことは?
感謝する相手を家族に限定せず、友達、学校や地域で働く人、物や場所にも広げると、本人が本当に書きたい体験を選びやすくなります。
ありがとう作文の練習問題
問題1:どちらが具体的なテーマ?
A「家族へのありがとう」 / B「熱を出した夜に水を持ってきてくれた兄へのありがとう」
答え:B。一場面にしぼられ、相手の行動や自分の気持ちを書きやすいためです。
問題2:「先生は優しいです」を深めるには?
答えの例:いつ、どこで、何に困っていたか、先生が何と言ったか、その後どうできるようになったかを書きます。
問題3:ありがとう前後メモの「前」には何を書く?
答え:体験する前に、当たり前だと思っていたことや気づいていなかったことを書きます。
問題4:感謝を返す行動とは?
答えの例:言葉で伝える、手伝う、借りた物を大切にする、次に困っている人を助ける、などです。
問題5:例文はどこまで使える?
答え:段落の順番や前後メモの考え方は使えます。相手・出来事・会話・気持ちは自分の体験へ置き換えてください。
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体験をメモしてから作文にしよう
小学生向け作文ドリルを探す
会話や気持ちを文章へ広げる練習には、学年に合う作文ドリルが使えます。
合う人:伝えたいことはあるが、文章の順番で止まりやすい子
注意:例文集だけでなく、質問やメモ欄がある教材を選んでください。
気持ちを表す言葉の教材を探す
「うれしい」以外の言葉を増やしたい場合は、語彙や表現を学べる教材が役立ちます。
合う人:気持ちをいつも同じ言葉で書いてしまう子
注意:難しい表現を無理に使わず、本人が意味を説明できる言葉を選びましょう。
ありがとう作文に関するQ&A
家族以外に書いてもよいですか?
構いません。友達、先生、給食を作る人、見守りの人、図書館、毎日使う物など、自分が感謝に気づいた相手や対象を選べます。
ありがとうを本人に伝えていなくても書けますか?
書けます。作文の最後で、これからどのように伝えたいか、どんな行動で返したいかを書きましょう。
題名はどう付けますか?
「ありがとう」だけでなく、「雨の日の黄色い旗」「図書館の透明なテープ」のように、感謝に気づいた物や場面を入れると内容が伝わります。
亡くなった人への感謝も書けますか?
書けます。無理に明るくまとめず、覚えている会話や教わったこと、今の自分に残っていることを丁寧に書いてください。
物や自然にありがとうと書くのは変ですか?
変ではありません。ただし、なぜ感謝したのかが伝わる具体的な体験を入れます。長く使ったランドセル、暑い日に休んだ木陰などが例です。
作文の中で「ありがとう」は何回書けばよいですか?
回数に決まりはありません。最初や最後など大切な所に置き、それ以外は体験や気づきを具体的に書く方が伝わります。
書き出しが決まりません
相手の言葉、物の様子、感謝に気づいた瞬間から始められます。詳しくは小学生向け作文の書き出し方も確認してください。
まとめ
ありがとう作文は、感謝する相手をほめるだけでなく、具体的な体験から自分の気づきと変化を書く作文です。
「前・気づいた瞬間・後・返す行動」のありがとう前後メモを作り、一つの場面を4段落に並べましょう。例文は構成の参考にし、相手の言葉や自分の気持ちは実際の体験へ置き換えてください。
身近な体験を作文へ広げる方法は、小学生向け生活作文の書き方と例文でも確認できます。



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