説明文の読解では、目立つ具体例を見つけただけでは筆者の考えまでたどり着けません。段落の役割、接続詞、中心の文を分けて読み、具体例が何を説明するために置かれているかを考えます。
「この段落は何を言っているの?」「筆者の考えはどこ?」と迷う小学生に向けて、本文の整理から記述・要約までを順番に解説します。
先に答え:説明文は5つの順で読む
| 順番 | すること | 見るポイント |
|---|---|---|
| 1 | 話題をつかむ | 何について説明しているか |
| 2 | 段落ごとにメモする | 話題・理由・例・まとめの役割 |
| 3 | 接続詞を見る | 前後の関係がどう変わるか |
| 4 | 中心の文を選ぶ | その段落がなくてもよい例を外す |
| 5 | 筆者の考えを探す | 最後のまとめや主張の文 |
段落にはそれぞれ役割がある
説明文の段落は、同じ働きをくり返しているとは限りません。話題を出す段落、理由を説明する段落、具体例を示す段落、筆者の考えをまとめる段落があります。段落ごとに一言メモを作ると、文章全体の流れを見失いにくくなります。
| 段落の役割 | よくある内容 | メモの例 |
|---|---|---|
| 話題の提示 | これから説明するテーマ | 食品ロスについて |
| 理由・原因 | なぜ起きるか、なぜ必要か | 捨てられる理由 |
| 具体例 | 数字、経験、身近な場面 | 家庭でできる工夫の例 |
| 比べる説明 | 昔と今、AとBの違い | 二つの方法の違い |
| 筆者の考え | 大切さ、提案、呼びかけ | 続けることが大切 |
| まとめ | 本文全体を結ぶ文 | だから身近な行動を |
具体例の段落は、数字や場面が詳しく書かれているため目に入りやすい部分です。しかし、具体例だけを抜き出しても、筆者が伝えたいこととは限りません。「この例は、何を分かりやすくするために出てきたのか」と問い直します。
接続詞で文章の向きを読む
| 接続詞 | 前後の関係 | 読むときの確認 |
|---|---|---|
| しかし・ところが | 反対・予想外 | 前の内容と何が違うか |
| だから・そのため | 原因から結果 | 何が原因で何が起きたか |
| たとえば | 具体例 | 何を分かりやすくする例か |
| つまり・このように | まとめ・言い換え | 前の説明をどうまとめたか |
| また・さらに | 付け加え | 同じ方向の説明は何か |
| 一方 | 別の面・対比 | 何と何を比べているか |
接続詞は、前の文と次の文の関係を知らせる案内板のようなものです。「しかし」の後は前と反対の内容、「だから」の後は結果、「たとえば」の後は具体的な説明が来やすいと分かります。接続詞だけで答えを決めず、前後の内容まで確認します。
筆者の考えと具体例を分ける
| 文の種類 | 役割 | 中心の文かどうか |
|---|---|---|
| 話題を示す文 | 何について書くか伝える | 中心になりやすい |
| 理由を説明する文 | 話題の背景を示す | 設問によって必要 |
| 具体例の文 | 内容をイメージしやすくする | そのまま主張にしない |
| 筆者の判断 | 大切さや提案を示す | 中心になりやすい |
| まとめの文 | 前の説明を結ぶ | 中心になりやすい |
筆者の考えは、「大切だ」「必要だ」「〜したい」「〜ではないでしょうか」のような判断や提案に表れます。一方、具体例は、主張をイメージしやすくするための材料です。例を見つけたら、その前後にある一般的な説明やまとめの文へ戻ります。
設問の形に合わせて根拠を探す
| 設問の形 | 答える内容 | 探す場所 |
|---|---|---|
| 筆者の考えは何ですか | 文章全体の主張 | まとめ、文末、呼びかけ |
| この段落の役割は何ですか | 話題・理由・例など | 段落の最初と最後 |
| なぜ〜ですか | 原因や理由 | だからの前後、理由を示す文 |
| どんな例ですか | 具体的な内容 | たとえばの後、数字や場面 |
| 指定字数でまとめなさい | 中心を残した短い説明 | 各段落メモから共通点を選ぶ |
「筆者の考え」を聞かれたら、一つの具体例ではなく、文章全体に当てはまる主張を探します。「この段落の役割」なら、その段落の最初と最後を比べます。「なぜ」と聞かれたら、接続詞や理由を示す部分を確認します。
短い例文で読み方を確認
次は、換気について説明するオリジナルの短い例です。接続詞と段落の役割を手がかりに、筆者の提案を考えます。
| 短い説明文の一部 | 接続詞・役割 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 朝のうちに窓を開けると、部屋の空気を入れ替えられます。 | 話題・理由 | 換気の利点を説明している |
| たとえば、家族が集まる前に五分だけ開ける方法があります。 | 具体例 | 実際の方法を示している |
| つまり、長い時間でなくても、毎日の習慣にすることが大切です。 | まとめ・筆者の考え | 短時間でも続ける提案 |
最初の文は換気の利点、二つ目はその方法の例、三つ目は例を受けたまとめです。「五分」という数字だけを答えにするのではなく、「短時間でも毎日の習慣にする」という筆者の考えまでつなげて読みます。
要約するときの残し方
| 要約に残すもの | 外しやすいもの | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 文章の話題 | 細かな数字 | 何の文章か分かるか |
| 筆者の主張 | 同じ内容の言い換え | 筆者が伝えたいことか |
| 重要な理由 | 例の細部 | 主張を支える説明か |
| 段落のつながり | 個別の感想 | 前後の関係を保てるか |
要約では、各段落のメモを並べたあと、文章全体の話題と筆者の主張を残します。具体例を全部入れるのではなく、主張を支える理由として必要なものだけを短く加えます。指定字数に収めるときは、同じ内容の言い換えから削ります。
学年別の取り組み方
| 学年の目安 | 練習の中心 | 書くメモ |
|---|---|---|
| 1・2年生 | 段落の話題をつかむ | この段落は何の話? |
| 3・4年生 | 接続詞と具体例を結ぶ | 例は何を説明している? |
| 5・6年生 | 主張と理由を要約する | 筆者は何を大切だと言う? |
低学年は段落の話題を一言で言う練習から始めます。中学年は接続詞と具体例の関係を見ます。高学年は、主張・理由・例を分けたうえで、指定字数に合わせてまとめます。最初からきれいな要約を目指すより、段落メモを作る過程を大切にします。
説明文を読むときは、文を一つずつ覚えようとするより、段落同士の関係をつかむ方が楽になります。話題を示したあとに理由が来るのか、具体例を挙げてからまとめるのかを見れば、文章の道筋が見えてきます。分からない言葉が一つあっても、役割が分かれば全体の内容を追えることがあります。
ノートには、段落の文章を全部写す必要はありません。「原因」「例」「筆者の提案」のように、役割が分かる短い言葉で残します。接続詞を一緒に書くと、「しかし」で話が反対へ進んだ、「つまり」で前をまとめた、という変化を後から確認できます。
解き直しでは、正解の文を写す前に、自分がどの段落を根拠にしたかを確認します。主張と具体例を取り違えたなら、例の前後の文を読み直し、例が何を説明するために置かれていたかを書きます。この一手間が、次の説明文にも使える読み方になります。
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無料:説明文の段落メモ
段落の役割と中心の文を一行で整理するためのメモです。要約問題や「筆者の考え」を探すときにも使えます。
| 欄 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 段落番号 | 何段落目か | 第3段落 |
| 役割 | 話題・理由・具体例・まとめ | 理由を説明する段落 |
| 中心の文 | その段落で一番伝えたい文 | 〜が大切です |
| 接続詞 | 前後の関係を示す言葉 | しかし、つまり |
| 一言メモ | 段落の内容を短く | 身近な工夫の例 |
※具体例を写す前に、その段落が何を説明するための例かを一言で書きます。
間違えやすい読み方
| 間違え方 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 具体例を筆者の考えにする | 目立つ文だけで判断している | 例の前後で説明する主張を探す |
| 接続詞を読み飛ばす | 文を一つずつ読んでいる | 接続詞に丸を付け、前後を比べる |
| 段落の最初だけ写す | 段落全体の役割を見ていない | 最後のまとめの文も確認する |
| 要約が長くなる | 例や細部を残しすぎる | 共通する中心だけに絞る |
| 自分の意見を足す | 筆者の考えと混同している | 本文に書かれた主張で終える |
提出前のチェック
| 確認 | できていればよい状態 | 直す方法 |
|---|---|---|
| 話題 | 何についての文章か言える | 各段落の最初を読み直す |
| 段落 | 役割を一言で言える | 段落メモを作る |
| 接続詞 | 前後の関係が説明できる | 反対・理由・例・まとめに分ける |
| 主張 | 筆者の考えと例を区別できる | 「たとえば」の後を例として扱う |
| 答え | 設問と字数に合う | 中心の文を残して削る |
よくある質問
段落の要点は最初の文ですか。
最初の文に話題が示されることはありますが、いつも一文目とは限りません。段落の最後にまとめが出る場合もあるので、最初と最後を比べ、具体例を支える中心を選びます。
接続詞が見つかりません。
「しかし」「だから」だけでなく、「このように」「たとえば」「一方」なども前後の関係を示します。段落の最初や文のはじめを一度拾い、反対・理由・例・まとめのどれか考えます。
具体例は要約に入れますか。
具体例が主張を理解するために欠かせない場合は短く残します。ただし、例の細かな数字や固有名詞を全部入れると長くなるため、何の例かを一言にまとめます。
筆者の考えは最後だけを見ればよいですか。
最後に出ることが多いものの、冒頭の問題提起や各段落の文末にも表れます。最後のまとめと、本文全体でくり返される言葉を照らし合わせます。
説明文の問題で線を引く場所は?
話題、接続詞、筆者の判断、具体例の四つを分けて印します。色をたくさん使う必要はなく、記号を一つずつ決めるだけでも関係が見えます。
要約がうまく短くできません。
各段落を一言でメモし、その中から文章全体に共通する内容を選びます。例を一つずつ並べるのではなく、例をまとめる言葉へ置き換えます。
説明文の練習を深める記事
まとめ
説明文は、段落の役割と接続詞を手がかりに、具体例と筆者の考えを分けて読みます。段落を一言でメモし、本文全体に共通する主張を探せば、設問にも要約にも答えやすくなります。
- 段落ごとに役割を一言で書く。
- 接続詞の前後の関係を確かめる。
- 具体例が何を説明するか考える。
- 筆者の考えを文章全体から探す。
- 設問の条件と字数に合わせて答えを整える。


