説明文の要約は、本文を短く写す作業ではありません。まず段落ごとの要点を見つけ、具体例や同じ内容のくり返しを整理して、文章全体の流れが伝わるようにつなぎます。
「何を書けばよいか分からない」ときは、いきなり100字を書くのをやめます。段落番号と短い要点を先にメモし、最後に字数へ合わせると、中心から外れにくくなります。
先に答え:説明文の要約4手順
- 段落ごとの話題を一言で書く。
- 中心の文や言葉を選ぶ。
- 具体例と重複を整理する。
- 要点を本文の順番でつなぎ、字数を調整する。
要点・要約・要旨の違い
学校の国語では、要点、要約、要旨という言葉が出てきます。似ていますが、見る範囲が違います。まずは言葉の役割を分けると、何を書けばよいか考えやすくなります。
| 言葉 | 意味 | 書くときの役割 |
|---|---|---|
| 要点 | 一つの段落で一番大切な内容 | 段落ごとのメモにする |
| 要約 | 文章全体を短くまとめたもの | 要点を順番につなぐ |
| 要旨 | 筆者の考えの中心や文章の主張 | 高学年で全体の中心を考える |
| 具体例 | 中心を分かりやすくする例 | 要約では必要なものだけ残す |
小学生の練習では、段落ごとの要点を一文にするところから始めます。その要点を文章全体の順番でつないだものが要約です。筆者の主張を中心に全体をまとめる場合は、要旨を考えます。
段落の役割を見つける
| 段落の役割 | 見つける手がかり | メモの例 |
|---|---|---|
| 話題の提示 | 「〜について考えます」など | 問題を紹介する段落 |
| 説明・理由 | なぜなら、例えば、〜から | 理由や仕組みを説明 |
| 比較・変化 | しかし、一方、以前は | 違いや変化を示す |
| まとめ・主張 | つまり、このように、筆者は | 筆者の考えをまとめる |
| 手がかり | 考えること | 注意点 |
|---|---|---|
| 段落の最初 | 話題や結論が置かれているか | 必ず中心とは限らない |
| くり返し出る言葉 | 筆者が重視している内容か | 同じ言葉だけで決めない |
| 接続詞 | 前後の関係を示しているか | 接続詞だけを写さない |
| 具体例の前後 | 例が説明している中心は何か | 例を全部要約しない |
| 最後の段落 | 全体のまとめや主張か | 前の段落との関係を見る |
段落の最初と最後だけを見るのではなく、同じ言葉がくり返されているか、接続詞で話がどう変わるかを見ます。例えば「しかし」があれば、前と後のどちらが筆者の中心に近いかを比べます。
要約を作る4手順
| 手順 | すること | 自分への質問 |
|---|---|---|
| 1 | 段落ごとに線を引く | この段落は何の話か |
| 2 | 中心の文や言葉を選ぶ | なくすと意味が変わる言葉はどれか |
| 3 | 具体例や重複を整理する | 中心を説明するだけの文はどれか |
| 4 | 要点をつないで字数を調整する | 順番とつながりは自然か |
要点のメモは、最初からきれいな文章にしなくて構いません。「植物、水を運ぶ、葉で使う」のような短い言葉を並べ、最後に助詞や接続詞を足して文にします。
例文で見る要点の選び方
次の表は、植物が水を運ぶ仕組みを説明する文章を想定した、要点の選び方です。本文の言葉を全部残すのではなく、説明の中心がつながるように整理します。
| 本文の役割 | 長いメモ | 要約用の短いメモ |
|---|---|---|
| 話題 | 植物は土の中から水を吸い上げ、葉まで運んでいる。 | 植物は根から水を運ぶ。 |
| 仕組み | 根の細い部分が水を取り込み、茎の中の通り道を通って上へ移動する。 | 水は茎の通り道を通る。 |
| 具体例 | 晴れた日に葉から水が出ていく様子を観察すると、植物が水を使っていることが分かる。 | 葉から水が出ることも分かる。 |
| まとめ | 植物は水を取り込み、体の中を運び、葉で使っている。 | 植物は水を取り込み、体内で使う。 |
長いメモを短くするときは、「何が」「どうする」「なぜ・どのように」の三つを残します。具体例を削っても、中心の仕組みが分かるなら要約として成り立ちます。
指定字数に合わせる方法
| 指定字数 | まず書く量 | 調整の考え方 |
|---|---|---|
| 50字 | 要点を2つ | 中心の内容だけにする |
| 100字 | 要点を3つ | 理由か変化を一つ加える |
| 200字 | 要点を4つ前後 | 必要な具体例を一つ残す |
| 字数指定なし | 段落数に応じて決める | 本文の半分以下を目安にする |
字数を減らすときは、具体例、同じ意味の表現、細かな数字から確認します。増やすときは、段落の中心を一つ足し、理由や変化を補います。意味のない言葉を足して字数だけを合わせることは避けます。
学年別の練習
| 学年の目安 | 練習 | まとめの目標 |
|---|---|---|
| 3年生 | 段落を一文で言い直す | 各段落の話題をつかむ |
| 4年生 | 要点を順番につなぐ | 中心と具体例を分ける |
| 5・6年生 | 字数を指定して要約する | 筆者の考えと理由をまとめる |
3年生は段落の話題を短く言う練習、4年生は要点をつなぐ練習、5・6年生は指定字数で筆者の考えをまとめる練習へ進みます。難しい文章を選ぶより、短い段落で手順を確認する方が取り組みやすいです。
PRこの欄にはAmazonアソシエイトリンクを含みます。まずは無料の要約メモと本文の手順を使い、必要な教材だけを選んでください。
無料:説明文の要約メモ
段落ごとの要点を先に書き、最後につないで要約文にするためのメモです。本文を何度も読み返す前に、段落の役割を短い言葉で残します。
| 欄 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 段落番号 | 何段落目か | 1・2・3 |
| 要点 | その段落で一番伝えたいこと | 植物は水を運ぶ仕組みを持つ |
| つなぐ言葉 | だから・しかしなどの関係 | そのため |
| 要約文 | 要点を自分の言葉でつなぐ | 植物は根から水を取り… |
| 字数確認 | 指定字数に近づける | 100字に収めた |
※指定字数や学校の書き方がある場合は、先生の指示を先に確認してください。
よくある失敗と直し方
| よくある状態 | なぜ困るか | 直し方 |
|---|---|---|
| 本文をそのまま写す | 短くなっていない | 文を言い換え、重複を削る |
| 具体例ばかり残す | 中心の考えが見えない | 例が説明する内容を書く |
| 段落の順番を変える | 論理の流れが崩れる | 本文の順番でつなぐ |
| 感想を入れる | 説明文の内容と混ざる | 筆者の内容に絞る |
提出前のチェック
| 確認 | よい状態 | 直す場合 |
|---|---|---|
| 内容 | 全体の中心が伝わる | 細かな例を一つ削る |
| 順番 | 本文の流れに沿っている | 段落番号を付け直す |
| 表現 | 自分の言葉で短くしている | 同じ語句の繰り返しを直す |
| 字数 | 指定字数に近い | 削る文と足す要点を決める |
よくある質問
要点と要約は何が違いますか。
要点は段落や文章の中で大切な内容、要約はその要点をつないで文章全体を短くしたものです。まず要点をメモし、そのあとに要約文を作ります。
段落の最初の文をそのまま使えばよいですか。
最初の文が中心になる場合もありますが、具体例や前の段落を受ける文の場合もあります。段落全体を読んで、なくすと内容が変わる言葉を選びます。
具体例は全部書きますか。
全部は書きません。具体例が説明している中心の内容を残し、例そのものは一つに絞るか省きます。指定字数が多いときだけ、中心を分かりやすくする例を残します。
100字にまとめるときのコツは何ですか。
段落ごとの要点を三つほど選び、同じ意味の文をまとめます。理由や変化を一つ残し、細かな数字や固有名詞を削ると調整しやすくなります。
自分の意見を書いてもよいですか。
「説明文の要約」として答える場合は、本文の内容に絞ります。自分の意見を書く課題なら、要約のあとに「私は〜」と分けて書きます。
要約が長くなってしまいます。
段落ごとのメモを一度に全部つなげず、似た内容をまとめます。「この文は中心を説明する例か」「同じことを別の言葉で言っていないか」を確認します。
まとめ
説明文の要約は、段落ごとの要点を見つけ、具体例と重複を整理し、本文の順番でつなぎます。最後に指定字数へ調整し、文章全体の中心が伝わるかを確認しましょう。
- 段落ごとの話題を短く書く。
- 中心の文や言葉を選ぶ。
- 具体例は中心を説明するものだけ残す。
- 本文の順番で要点をつなぐ。
- 最後に字数と内容を確認する。


