国語の読解問題は、答えを思いつく競争ではありません。まず設問が何を聞いているかを確かめ、次に本文の根拠を探し、その言葉を使って答えを作ります。
「国語はセンスが必要」と考えなくて大丈夫です。理由、気持ち、内容説明、要約など、設問の型ごとに見る場所を決めると、読み方が安定します。
先に答え:読解問題の5ステップ
- 設問を読んで、聞かれていることを確認する。
- 本文を読み、関係する場面や段落を探す。
- 根拠になる文や言葉に線を引く。
- 主語と文末を整えて答えを書く。
- 設問と根拠に答えが合っているか見直す。
設問を先に整理する
| 設問の言葉 | 聞かれていること | 答えの形 |
|---|---|---|
| なぜ・どうして | 理由や原因 | 〜だから。 |
| どんな気持ち | 人物の心情とその理由 | 〜と思う気持ち。 |
| どんなこと | 内容や様子 | 本文の言葉を使った説明 |
| 筆者の考え | 文章の中心となる主張 | 筆者は〜と考えている。 |
| 本文中から抜き出す | 指定された言葉を探す | 条件に合う部分をそのまま |
| 何字以内 | 内容と字数の両方 | 中心+理由を短く |
設問の最後の言葉を見ると、答えの形が決まります。「なぜ」なら理由、「どんな気持ち」なら心情ときっかけ、「本文中から抜き出す」なら自分の言葉へ変えずに探します。
本文から根拠を探す
| 根拠の種類 | 見る場所 | 例 |
|---|---|---|
| 出来事 | 物語文の前後の場面 | 友達に声をかけられた |
| 行動・表情 | 人物の動きや顔の様子 | うつむいて黙った |
| 会話 | かぎかっこの中と話し方 | 「大丈夫」と小さく言った |
| 接続詞 | 説明文の文と文の間 | しかし、つまり、だから |
| 文末表現 | 筆者の考えが出る文末 | 〜と考えます、〜でしょう |
根拠は、設問と同じ言葉がある場所だけとは限りません。物語文なら質問された場面の前後、説明文なら接続詞や文末表現に注目します。答えを選んだあと、「本文のどこを使ったか」を指で示せる状態を目指します。
答えを作るときの型
| 問題の種類 | 根拠から答えに変える方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 理由問題 | 出来事+気持ちや判断の理由 | 「なぜ」を一文で終わらせない |
| 気持ち問題 | 出来事+行動・会話から心情を考える | 自分の経験だけで決めない |
| 内容説明 | 本文の言葉をつないで説明する | 主語を省きすぎない |
| 要約問題 | 段落の要点を順番にまとめる | 具体例を入れすぎない |
| 選択問題 | 本文と選択肢を一文ずつ比べる | 似た言葉だけで選ばない |
記述問題では、本文の言葉を使いながら、設問に合う文へ直します。「なぜですか」と聞かれたら「〜からです」、「どんな気持ちですか」と聞かれたら「〜と思う気持ちです」のように文末を合わせます。
短い例題で練習する
次の表は、短い文章を想定した例です。答えだけでなく、どの根拠から作ったかを確認します。
| 設問 | 本文の根拠 | 答え方の例 |
|---|---|---|
| なぜ、ゆうたは窓を閉めたのですか。 | 風が強くなり、ノートの紙がめくれた。 | ノートの紙が風でめくれたから。 |
| ゆうたはどんな気持ちでしたか。 | 発表の順番が近づき、何度も原稿を見た。 | 発表がうまくできるか心配な気持ち。 |
| 筆者が伝えたいことは何ですか。 | 具体例のあとに「身近な工夫が大切だ」とある。 | 身近な工夫を続けることが大切だということ。 |
「風が強くなった」と「紙がめくれた」の二つがつながっているため、理由の答えには紙がめくれたことを入れます。気持ちの問題では、原稿を何度も見た行動から、発表への心配を考えます。
学年別の取り組み方
| 学年の目安 | 練習の中心 | 家庭での声かけ |
|---|---|---|
| 1・2年生 | 場面や出来事を言い直す | どこに書いてあった? |
| 3・4年生 | 設問と本文を結び付ける | 答えの理由はどの文? |
| 5・6年生 | 根拠を組み合わせて記述する | 本文の言葉を使えている? |
低学年は場面と出来事を言い直すことから始めます。中学年は設問と本文のつながり、高学年は複数の根拠を一文にまとめることを意識します。学年に合わない長文を選ぶより、短い文章で根拠を説明する方が効果を確認しやすいです。
解き終わったら、正解か不正解かだけで終わらせません。設問の種類、根拠にした本文の場所、自分の答えで足りなかった言葉を一行ずつ残します。同じ種類の問題を次に解くとき、前回のつまずきを思い出せるからです。
家庭で声をかけるときも、「どうしてその答えにしたの?」と聞くと、本文を見たのか、自分の想像で答えたのかを確認できます。答えをすぐ教えるより、根拠の段落を一緒に探す方が、読み方の練習になります。
解き直しでは、まず自分の答えを消さずに残し、その下に本文の根拠を書きます。次に、設問が求めた条件のうち、抜けていたものに丸をつけます。たとえば理由を二つ聞かれて一つしか書けなかったなら、本文の別の場所を探してから答えを二文に整えます。この順番なら、ただ正解を写すだけになりません。
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答えだけを書かず、本文のどこを使ったかを残すためのメモです。間違えた問題の復習にも使えます。
| 欄 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 設問 | 何を聞かれているか | 理由を答える |
| 本文の場所 | 根拠がありそうな段落 | 第3段落の後半 |
| 根拠の言葉 | 答えに使う本文の言葉 | 〜だから |
| 自分の答え | 主語と文末を整えた文 | 主人公は〜と考えた |
| 見直し | 質問に答えているか | 理由が抜けていない |
※答え合わせの前に、自分で根拠の段落を指せるか確認します。
間違えやすい読み方
| よくある状態 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 本文を読まずに答える | 自分の想像で考えている | 根拠の文に線を引く |
| 答えが短すぎる | 理由や主語が抜けている | 誰が・なぜを足す |
| 本文を全部写す | 必要な部分を選べていない | 設問に関係する文だけ使う |
| 選択肢の印象で選ぶ | 本文との比較が足りない | 違う言葉に線を引く |
提出前のチェック
| 確認 | できていればよい状態 | 直す場合 |
|---|---|---|
| 設問 | 何を聞かれたか言える | 問いの言葉に丸を付ける |
| 根拠 | 本文の場所を指せる | 段落や行を探し直す |
| 答え | 主語と文末が自然 | 問いに合う形へ直す |
| 字数 | 指定字数に収まる | 重複や具体例を整理する |
よくある質問
本文を最初から最後まで読むべきですか。
物語文や短い文章は全体を読んでから答えます。長い文章では、先に設問を確認して、何を探しながら読むか決める方法もあります。設問だけで答えを決めず、必ず本文の根拠を確認します。
気持ちの問題が当たりません。
気持ちを表す言葉だけでなく、その直前の出来事、行動、表情、会話を見ます。「うれしい」などの単語がなくても、行動から気持ちを考えられる場合があります。
記述問題で字数が足りません。
まず主語、出来事、気持ちや理由の三つを確認します。本文の根拠から必要な言葉を一つ足し、同じ意味の表現は増やさないようにします。
説明文の筆者の考えはどこにありますか。
最後の段落に出ることが多いですが、段落の最後や「つまり」「このように」の後にも表れます。具体例と主張を分けて読みます。
間違えた問題はどう復習しますか。
正解を写すだけでなく、設問、本文の根拠、自分の答えの違いを三つに分けて書きます。次に同じ種類の問題を一問だけ解き直します。
読解問題を毎日どれくらい解けばよいですか。
問題数より、根拠を説明できるかを優先します。短い文章を一問解き、本文のどこを使ったかを声に出して確認するだけでも練習になります。
国語の読解を深める記事
まとめ
国語の読解問題は、設問、本文、根拠の順に確認します。答えが合っているかだけでなく、本文のどの言葉を使ったかを説明できるようにすると、次の問題にも生かせます。
- 設問の最後の言葉で答えの形を決める。
- 本文の関係する場面や段落を探す。
- 根拠の文や描写に線を引く。
- 主語と文末を整える。
- 間違えた理由を一つ書いて解き直す。


