「気持ちは書けるのに、自分の意見や考えをどう書けばいいかわからない」「作文がいつも同じような内容になってしまう」——小学5年生になると、こうした悩みが一気に増えます。
5年生の作文は、低学年・中学年までの「出来事+感想」から、「自分の意見・考えを根拠とともに書く」ステージへと変わる転換点です。この変化についていけないと、作文への苦手意識がどんどん強くなってしまいます。
この記事では、小学5年生が作文を書けるようになるための方法を、書けない原因・構成のコツ・課題別の文例まで網羅して解説します。読書感想文・意見文・修学旅行の作文にも対応しているので、ぜひ最後まで読んでください。
📋 この記事の目次
5年生で作文がつまずくポイント
4年生まではなんとか書けていたのに、5年生になって急に書けなくなる子が増えます。その背景には、求められる作文のレベルが変わることがあります。
| 学年 | 求められる作文のレベル |
|---|---|
| 1〜2年生 | 体験したことを時間の順に並べて書く |
| 3〜4年生 | 出来事+気持ち・感想を加えて書く |
| 5〜6年生 | 意見・考えを根拠とともに論理的に書く |
つまり5年生は、「感じたこと」だけでなく「なぜそう思うのか(根拠)」「どうすればいいか(提案・展望)」まで書くことが求められる学年です。この「根拠を書く」という作業が、最大のつまずきポイントです。
5年生の作文で意識すべき4つのポイント
ポイント①「意見+根拠」をセットで書く
5年生以降の作文では、意見や感想を書いたら必ず「なぜなら〜だから」という根拠の一文を続ける習慣をつけましょう。根拠は体験・事実・比較のいずれかをもとにすると書きやすくなります。
ポイント②「反対意見」も取り上げて書く
5年生以降の意見文・論説的な作文では、「たしかに〜という考えもあります。しかし〜」という反対意見に触れてから自分の意見を述べる構成が高評価につながります。一方の立場だけで書くより、説得力が増します。
しかし、チームで協力するゲームを通じて、コミュニケーションや戦略的な思考力が育つという側面もあると、わたしは思います。」
ポイント③「具体的なエピソード」を1つ盛り込む
主張や感想だけが続く作文は説得力に欠けます。「あの日、〜したとき」という具体的なエピソード(体験)を1つ必ず盛り込みましょう。抽象的な意見がぐっとリアルになります。
ポイント④「文末表現」を意識してバリエーションを持たせる
「〜です。〜です。〜です。」と同じ語尾が続くと単調になります。5年生からは意識して文末を変えましょう。
| 用途 | 使える文末表現 |
|---|---|
| 事実を述べる | 〜でした / 〜ました / 〜ということがわかりました |
| 意見・考えを述べる | 〜と思います / 〜ではないでしょうか / 〜と感じています |
| 気持ちを述べる | 〜と感じました / 〜で胸がいっぱいになりました / 〜に心を動かされました |
| まとめ・展望 | 〜していきたいと思います / 〜を忘れないようにしたいです / 〜に生かしていきたいです |
作文の書き方|6つのステップ
STEP 1|テーマと「主張(一番言いたいこと)」を1文で決める
書き始める前に、「この作文で一番伝えたいことは何か」を1文で決めます。これが作文全体の「軸」です。書いていて迷ったとき、この1文に立ち返れば方向がブレません。
→ 主張:「歴史の場所を実際に訪れることで、教科書では感じられないリアルさを学べた」
STEP 2|5W1Hと「根拠メモ」を書き出す
「いつ・どこで・だれと・何を・なぜ・どうした」の6項目でメモを作ります。5年生からは、これに加えて「なぜそう思ったか(根拠)」の列も加えましょう。
| 項目 | メモ例(修学旅行) |
|---|---|
| いつ | 11月、2泊3日 |
| どこで | 京都・奈良 |
| 一番印象に残ったこと | 金閣寺が教科書の写真より何倍も金色に輝いていた |
| そのときの気持ち | 言葉が出ないほどおどろいた・息をのんだ |
| なぜそう感じたか(根拠) | 写真だと平面だが、実物は太陽の光を反射して立体的に輝いていたから |
| 学んだこと・これから | 実際に行くことでしかわからないことがある。社会の授業をもっと大切にしたい |
STEP 3|四段落の構成を決める
5年生からは、三段落から四段落構成へとステップアップしましょう。「なか」を2段落に分けることで、事実と意見・考察が整理されて読みやすくなります。
| 段落 | 書く内容 | 目安の量 |
|---|---|---|
| はじめ | テーマの紹介・主張(一番言いたいこと)を先に提示 | 約15% |
| なか① | 具体的な出来事・体験の説明(事実中心) | 約30% |
| なか② | 気持ち・考え・根拠(意見・考察中心) | 約35% |
| おわり | 学んだこと・今後どう生かすか(主張の再提示) | 約20% |
STEP 4|書き出しを決めてから書き始める
5年生の作文では、「主張や結論を冒頭に持ってくる」書き出しが高評価につながります。「この作文で一番言いたいこと」をあえて最初に書いてしまう方法です。
| パターン | 5年生向け文例 |
|---|---|
| 主張を先に述べる | 「わたしはこの体験から、〜の大切さを強く感じました。」 |
| 問いかけから始める | 「あなたは、〜について考えたことがありますか。」 |
| 印象的な場面から始める | 「金色の光が目に飛び込んできた瞬間、わたしは息をのみました。」 |
| データ・事実から始める(意見文向け) | 「日本では毎年〜万トンの食品が捨てられているといいます。」 |
STEP 5|「なか②」に意見と根拠を丁寧に書く
5年生の作文の核心はここです。「意見 → 根拠(なぜなら〜) → 具体的エピソード」の3点セットで書く習慣をつけましょう。
なぜなら、教科書の文字や写真では伝わらない「空気感」を体で感じることができるからです。(根拠)
金閣寺に着いたとき、池に映る金色の輝きを見て、室町時代の将軍たちも同じ景色を見ていたのかと思うと、歴史が急に身近になりました。(具体的エピソード)」
STEP 6|音読して全体を整える
完成したら声に出して読み返しましょう。5年生のチェックポイントは以下の通りです。
- 意見を書いた後に「なぜなら〜」の根拠が続いているか
- 「なか①(事実)」と「なか②(意見・考察)」が混ざっていないか
- 「おわり」で冒頭の主張を別の言い方で繰り返せているか
- 同じ語尾(〜です・〜ました)が3文以上続いていないか
- 句読点のない長すぎる一文がないか
ビフォー・アフター文例
同じテーマで書いた「修正前(ビフォー)」と「修正後(アフター)」を見比べてみましょう。
テーマ「クラスのそうじ分担について」(意見文)
❌ ビフォー(よくある5年生の意見文)
わたしはそうじ分担を毎週変えた方がいいと思います。今のクラスでは分担が固定されています。だから同じ場所ばかりやる人がいます。毎週変えればいろいろなそうじができます。いいと思います。
✅ アフター(根拠・反対意見・エピソードを加えた意見文)
わたしは、クラスのそうじ分担は毎週ローテーションにすべきだと考えています。
現在、わたしたちのクラスでは担当場所が学期初めに固定されています。たしかに、決まった場所を繰り返すことで手順を覚えられるというメリットもあります。しかし、ずっと同じ場所だけをそうじしていると、他の場所のやり方を知らないまま卒業してしまいます。
なぜローテーションがよいかというと、学校のあらゆる場所の清掃方法を身につけることが、中学校・社会での生活にも役立つからです。先月、家の大掃除を手伝ったとき、学校の窓ふきの経験があったので迷わずきれいにできました。もし学校でその経験がなければ、何から始めればいいか分からなかったと思います。
だれもが様々な場所のそうじを経験できる環境をつくることが、クラス全体の成長につながると、わたしは考えます。
アフターでは、①反対意見への言及(たしかに〜しかし)②根拠(なぜなら〜だから)③具体的エピソード(家の大掃除)④主張の再提示が加わり、説得力のある意見文になっています。
課題別の書き方のコツ
意見文・論説文(5年生向け)
「〜すべきか・すべきでないか」というテーマで書く意見文は、5年生から急に増えます。「自分の立場を最初に明確にする → 根拠を2つ挙げる → 反対意見に触れる → 結論で主張を繰り返す」という構成を使いましょう。
| 段落 | 意見文の構成 |
|---|---|
| はじめ | テーマの説明+自分の立場(賛成 or 反対)を明示 |
| なか① | 根拠①(体験や事実をもとに) |
| なか② | 「たしかに〜しかし〜」で反対意見に触れてから根拠②を述べる |
| おわり | 主張の再提示+「だからわたしは〜と考えます」で締める |
読書感想文(5年生向け)
5年生の読書感想文では、「主人公の行動と自分だったらどうするか」を比較して書く方法が効果的です。「わたしならこうしたのに」という視点を盛り込むことで、感想がオリジナリティのある内容になります。
- はじめ:本を選んだ理由・第一印象
- なか①:一番印象に残った場面の紹介(あらすじは最小限に)
- なか②:「自分だったら〜した・〜できなかった」という比較と理由
- おわり:この本から学んだこと・自分の生活にどう生かすか
修学旅行・社会科見学の作文(5年生向け)
行事の作文で最もやりがちな失敗は「時系列の羅列」です。「〜に行きました。〜を見ました。〜を食べました。楽しかったです」という日程表のような作文にならないよう、「一番印象に残った場面を1つだけ選んで深く書く」ことを意識しましょう。
環境・社会問題の作文(5年生向け)
5年生の社会科・総合的な学習では、環境問題・食品ロス・高齢化社会などをテーマにした作文が出ることがあります。このタイプは「問題提起 → 現状 → 自分の考え → 解決策・提案」という構成が有効です。新聞・NHK for School などで調べた事実を根拠に使うと説得力が増します。
保護者ができるサポート
「意見が思いつかない」と言ったとき
「どう思う?」という漠然とした質問ではなく、「賛成?反対?どっち?」とまず立場を選ばせましょう。立場が決まれば「なんで?」と聞くだけで根拠が引き出せます。意見は「どちらかを選んでから理由を考える」順番がうまくいきます。
「根拠の書き方がわからない」と言ったとき
「自分がそう思ったのは、どんなことがあったから?」と体験に結びつけて聞いてあげましょう。5年生の根拠は①自分の体験②見たり読んだりした事実のどちらかがほとんどです。日常の会話の中で「なぜそう思うの?」と問い返す習慣をつけることが、長期的な作文力の向上につながります。
添削するときの注意点
全文を直してしまうと子どもの意欲が下がります。「この段落に理由を1文足せそうだよ」「もう少し具体的なエピソードを書けそうな場所はどこかな?」という形で、子ども自身が考えるヒントを与える形にしましょう。
まとめ:5年生の作文は「意見+根拠」が最大のポイント
小学5年生の作文力を伸ばすうえで重要なポイントをまとめます。
- 意見・感想には必ず「なぜなら〜」の根拠を続ける
- 「たしかに〜しかし〜」で反対意見に触れてから自分の意見を述べる
- 具体的なエピソードを1つ盛り込んで説得力を高める
- 四段落構成(はじめ・なか①・なか②・おわり)で事実と考察を分けて書く
- 「おわり」で冒頭の主張を別の言い方で繰り返してまとめる
5年生の作文力は、日常の会話の中で「なぜそう思うの?」と問い返す習慣があるかどうかで大きく変わります。書く前の準備(メモ・構成決め)に時間をかけることで、書き始めたらスムーズに完成まで進めるようになります。
よくある質問(Q&A)
Q. 5年生の作文の字数の目安はどのくらいですか?
A. 一般的に600〜800字(原稿用紙1.5〜2枚)が5年生の作文の目安です。読書感想文など長い課題では800〜1200字を求められる場合もあります。字数が足りない場合は「なか②」の根拠・エピソードを掘り下げることで自然に増やせます。
Q. 意見文のテーマが思いつきません。どうすればいいですか?
A. 身近な「〜した方がいいか、しない方がいいか」を探してみましょう。「スマホの使用時間を制限すべきか」「学校給食を選択制にすべきか」「動物園は必要か」など、日常の話題から見つけると書きやすくなります。
Q. 読書感想文で「あらすじ」ばかりになってしまいます。
A. あらすじは「なか①」の冒頭に3〜4文だけと決めてしまいましょう。それ以降は「その場面を読んだ自分の気持ちと、その理由」を書くと決めると、自然に感想文らしくなります。「内容の紹介」ではなく「自分がどう感じたか」が感想文のメインです。
Q. 「たしかに〜しかし〜」の使い方が難しいです。
A. 「自分と反対の立場の人は何と言いそうか?」を先に考えると使いやすくなります。「ゲームは良い」という意見なら、反対意見は「時間を無駄にする」などが考えられます。その反対意見を「たしかに〜という面もあります」と認めてから、「しかし〜」で自分の意見に戻る流れです。
Q. 作文と日記はどう違いますか?
A. 日記は「自分のため」に書くもので、出来事や気持ちを自由に記録するものです。一方、作文は「読み手に伝える」ために書くもので、構成・根拠・読みやすさを意識する必要があります。5年生では、日記で気持ちを書く習慣を土台にしつつ、「読む人を意識した書き方」を意識的に練習することが大切です。


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