読書感想文で中学生が最初につまずきやすいのは、「何を書けばよいか」よりも、実は最初の一文です。いきなり「私はこの本を読んで感動しました」と書くと、間違いではありませんが、どの本にも使える文になってしまい、自分らしさが出にくくなります。
この記事では、中学生向けに読書感想文の書き出し方を整理します。本の場面から始める型、疑問から始める型、引用から始める型、本論へのつなげ方、NG例を表とクリック開閉で確認できるようにしました。例文は丸写し用ではなく、自分が読んだ本に置き換えるための型として使ってください。
- 書き出しは「場面」「疑問」「引用」「自分の変化」「読む前の印象」から始めると書きやすい。
- 最初から結論を言い切るより、読んだ本の中で心に残った部分を出す。
- 本論につなげる一文を入れると、書き出しだけで止まりにくくなる。
読書感想文の書き出し5パターン
読書感想文の書き出しは、最初からうまい文章にしようとしなくて大丈夫です。まずは、どこから入るかを決めます。添削でよく見るのは、「本の内容を全部説明しようとして、最初から長くなりすぎる」形です。書き出しでは、一つの場面や一つの疑問にしぼる方が読みやすくなります。
| 型 | 向いている本 | 書き出し例 | 本論へのつなげ方 |
|---|---|---|---|
| 場面から始める | 小説、物語、伝記 | 主人公が一人で教室に残る場面が、読み終わったあとも心に残りました。 | なぜその場面が残ったのかを説明する。 |
| 疑問から始める | 考えさせられる本、社会問題を扱う本 | なぜ主人公は、最後まで本当の気持ちを言えなかったのだろう。 | 疑問を出したあと、自分なりの答えを探す。 |
| 引用から始める | 印象的な一文がある本 | 「もう逃げない」という一文を読んだとき、私はページをめくる手を止めました。 | その言葉に反応した理由を書く。 |
| 読む前の印象から始める | 題名や表紙から印象が変わった本 | 読む前、私はこの本を明るい友情の物語だと思っていました。 | 読み終わって印象がどう変わったかを書く。 |
| 自分の体験から始める | 自分の生活と重ねやすい本 | 私も、友達に本音を言えずに後悔したことがあります。 | 本の内容と自分の経験を比べる。 |
- 本の中で一番心に残った場面を一つ選ぶ。
- その場面で「驚いた」「疑問に思った」「自分と似ている」と感じた点を探す。
- 最初の一文を短く書く。
- 次の一文で、本論で何を書くかを予告する。
型1: 場面から始める
+ クリックして例を見る
例: 主人公が一人で教室に残る場面が、読み終わったあとも心に残りました。
この型は、物語の読書感想文で使いやすいです。すぐにあらすじを書くのではなく、「なぜその場面が心に残ったのか」を次の段落で説明すると、本論につながります。
型2: 疑問から始める
+ クリックして例を見る
例: なぜ主人公は、最後まで本当の気持ちを言えなかったのだろう。
疑問から始めると、感想文が「考える文章」になります。答えを一つに決めつけず、本文の出来事をもとに自分の考えを深めると中学生らしい内容になります。
型3: 引用から始める
+ クリックして例を見る
例: 「もう逃げない」という一文を読んだとき、私はページをめくる手を止めました。
引用を使うときは、長く引用しすぎないことが大切です。印象に残った短い言葉を一つだけ選び、その言葉に自分がどう反応したかを書きます。
本論につなげる一文の作り方
書き出しだけがよくても、そのあとに続かなければ読書感想文は完成しません。書き出しのあとには、「これから何について書くか」を示す一文を入れます。
| 書き出し | 本論につなげる一文 | 続けて書く内容 |
|---|---|---|
| 主人公が一人で教室に残る場面が心に残りました。 | なぜなら、その場面に主人公の弱さと優しさが同時に表れていると思ったからです。 | 主人公の行動、気持ち、自分との比較。 |
| なぜ主人公は、本当の気持ちを言えなかったのだろう。 | 私は、主人公が相手を傷つけることを恐れていたのだと思います。 | 本文の根拠、自分ならどうするか。 |
| 読む前、私はこの本を明るい物語だと思っていました。 | しかし読み進めるうちに、明るさの裏にある不安にも気づきました。 | 読む前と読んだ後の印象の変化。 |
「この本はおもしろかったです」で始める作文は多いです。悪い文ではありませんが、どこがおもしろかったのかが分からないため、そのあとが続きにくくなります。授業や添削では、「どの場面でそう思った?」と聞くと、書き出しが一気に具体的になります。
本の種類別に書き出しを変える
読書感想文の書き出しは、本の種類によって少し変えると自然です。小説とノンフィクションでは、心に残るポイントが違うからです。
| 本の種類 | 見つけるポイント | 書き出し例 |
|---|---|---|
| 小説・物語 | 登場人物の変化、印象的な場面、会話 | 主人公が初めて友達に本音を言う場面で、私は胸が苦しくなりました。 |
| ノンフィクション | 初めて知った事実、驚いた数字、社会の問題 | この本を読むまで、私はその問題を自分とは遠いものだと思っていました。 |
| 伝記 | 人物の決断、失敗から立ち直る場面 | 私は、成功した場面よりも、失敗したあとの行動にひかれました。 |
| 戦争・平和を扱う本 | 今の生活との違い、命や平和への考え | 読み始める前、平和という言葉を、私は少し遠いもののように感じていました。 |
読書感想文の書き出しNG例と直し方
NG例は、内容が間違っているというより、どの本にも使えてしまう文になっていることが多いです。中学生の読書感想文では、「本の具体的な場面」と「自分の反応」を入れるだけで読みやすくなります。
| NG例 | 直した例 | よくなる理由 |
|---|---|---|
| 私はこの本を読んで感動しました。 | 主人公が友達に本当のことを話す場面で、私は一番感動しました。 | どの場面に反応したのかが分かる。 |
| この本はとてもおもしろかったです。 | 最初はただの冒険物語だと思っていましたが、読み終えるころには主人公の孤独が気になっていました。 | 読む前と読んだ後の変化が見える。 |
| この本をみんなにも読んでほしいです。 | 自分の気持ちを言葉にするのが苦手な人ほど、この本の主人公に共感できると思いました。 | 誰にすすめたいのかが具体的になる。 |
「本を読んだら感動しました」「とても勉強になりました」「すごいと思いました」だけで始めると、読み手には本の中身も自分の反応も伝わりにくくなります。
直し方: 感情の言葉だけで終わらせず、「どの場面で」「なぜそう思ったのか」を足しましょう。
書き出しを作る練習問題
次の条件に合う書き出しを考えてみましょう。答えの例はクリックすると開きます。
| 問題 | 条件 | 答えの例 |
|---|---|---|
| 1 | 主人公の変化をテーマにする書き出しを作る。 | + 答えを見る最初の主人公は、失敗を人のせいにしてばかりいました。しかし最後の場面で、自分から謝ろうとした姿が強く印象に残りました。 |
| 2 | 疑問から始める書き出しを作る。 | + 答えを見るなぜ主人公は、あれほどつらい思いをしても、友達を信じようとしたのだろう。 |
| 3 | 読む前と読んだ後の印象の変化を書く。 | + 答えを見る読む前、私はこの本をただの成長物語だと思っていました。けれど読み終わると、成長とは一人で強くなることだけではないのだと感じました。 |
読書感想文の書き出しでよくある質問
+ 読書感想文の書き出しは何行くらいがよいですか。
中学生なら、最初の1から3文で十分です。長くあらすじを書くより、心に残った場面や疑問を短く出し、本論へ進む方が読みやすくなります。
+ 書き出しであらすじを書いてもいいですか。
少しなら書いてもよいですが、あらすじだけで長くなるのは避けましょう。必要なのは、本の全部の説明ではなく、自分が考えるきっかけになった場面です。
+ 引用から始めるときの注意点はありますか。
長い文章を引用しすぎないことです。印象に残った短い言葉を一つだけ選び、「なぜその言葉に立ち止まったのか」を自分の言葉で説明しましょう。
+ 入賞作品のような書き出しをまねてもいいですか。
構成や考え方を参考にするのはよいですが、表現をそのまままねるのは避けます。自分が読んだ本の場面、自分の経験、自分の変化を入れることが大切です。
+ 本論の始め方が分からないときはどうすればよいですか。
書き出しの最後に「私が特に考えたのは、主人公の〇〇という行動です」のような一文を入れます。その一文を本論の入り口にすると、次の段落が書きやすくなります。
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読書感想文の書き出しは、立派な一文よりも、自分が立ち止まった場面や疑問から始める方が書きやすくなります。場面、疑問、引用、読む前の印象、自分の体験のどれかを選び、本論につながる一文を添えてみましょう。


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