2026年の読書感想文で課題図書を選ぶとき、いちばん大事なのは「有名な本を選ぶこと」ではありません。小学生の場合は、読み切れて、自分の経験や考えとつなげられる本を選ぶ方が、感想文はずっと書きやすくなります。
この記事では、第72回青少年読書感想文全国コンクールの小学生向け課題図書を、低学年・中学年・高学年に分けて整理します。ただし、単なる一覧ではなく、「どんな子に合うか」「感想文ではどこを中心に書くとよいか」まで、家庭で本を選ぶときに使える形でまとめます。
※課題図書の書名・部門は、青少年読書感想文全国コンクール公式サイト「課題図書」をもとに確認しています。応募条件や細かい決まりは、学校の案内や公式サイトの感想文Q&Aも確認してください。
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先に結論|課題図書は「書きやすさ」で選ぶ
読書感想文の本選びで迷ったら、次の順で見ます。
| 子どものタイプ | 選びやすい本 | 感想文の中心にすること |
|---|---|---|
| 出来事や気持ちを書きたい | 物語 | 主人公の気持ちが変わった場面と、自分の似た経験。 |
| 調べることが好き | 科学・ノンフィクション | 読んで初めて知ったことと、生活の見方が変わった点。 |
| 長い本が苦手 | 絵本・写真が多い本 | 絵や写真を見て立ち止まった場面、そこから考えたこと。 |
| 作文が短くなりやすい | 自分の経験とつなげやすい本 | 本の場面、自分の経験、これからの行動の3点。 |
家庭で見ていると、子どもが「よさそうな本」より「話しやすい本」を選んだときの方が、感想文は自然に進みます。大人が読ませたい本と、子どもが書きやすい本は、必ずしも同じではありません。
2026年の小学校低学年向け課題図書
低学年は、長い説明よりも「どの場面で、どんな気持ちになったか」を言葉にできる本が向いています。絵や写真を見ながら、親子で一場面ずつ話すと書き始めやすくなります。
| 本 | 向く子 | 感想文の切り口 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| まこちゃんとコトバロボ 物語 | 宿題、AI、勉強との付き合い方について書きたい子 | 「便利だけど、本当に自分のためになるのか」という迷いを書きやすい。 | 本の内容をAI批判だけにせず、自分の宿題や学び方に引き寄せる。 |
| なにかいいことあった? 物語・絵本 | 小さな発見や家族との会話を作文にしやすい子 | 身近な「いいこと」を探す視点から、自分の一日とつなげやすい。 | 「楽しかった」で止めず、どんな場面で何に気づいたかを書く。 |
| ララのまほうのことば 物語・絵本 | 言葉、植物、家族とのやりとりに関心がある子 | 言葉をかけることで何が変わるかを、自分の経験と結びつけやすい。 | 絵のきれいさの紹介だけで終わらないよう、言葉の力にしぼる。 |
| たねはいのちのおわりとはじまり 写真・科学 | 植物、観察、自由研究が好きな子 | 種を観察した経験や、命がつながる不思議を感想にしやすい。 | 調べたことのまとめだけにせず、驚いた写真や発見を一つ選ぶ。 |
2026年の小学校中学年向け課題図書
中学年は、出来事の説明だけでなく、主人公の迷いや変化に目を向けられるようになります。「自分だったらどうするか」を一つ入れると、感想文らしくなります。
| 本 | 向く子 | 感想文の切り口 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| まだまだここから 物語 | 習い事、スポーツ、努力、くやしさを書きたい子 | 失敗や選ばれなかった経験から、次に進む気持ちを書ける。 | あらすじを追いすぎず、主人公の気持ちが変わる場面を選ぶ。 |
| それからぼくはひとりで歩く 物語 | 初めての挑戦、こわさ、勇気について書きたい子 | 一人で行動する不安や、できた後の気持ちを自分の経験に重ねやすい。 | 障害について書くときは、かわいそうという決めつけにしない。 |
| おいしいお米をつくりたい!:ゆうちゃん、小学生で農家に弟子入りしました ノンフィクション | 食べ物、農業、仕事、体験学習に関心がある子 | ふだん食べているお米の見方が変わった、という変化を書きやすい。 | 米作りの説明だけで終わらず、食卓や手伝いの経験とつなげる。 |
| 宇宙でウンチ:みんなの知らない宇宙トイレのひみつ 科学 | 宇宙、実験、乗り物、しくみが好きな子 | 身近なトイレから宇宙開発を考える意外性があり、書き出しを作りやすい。 | おもしろい題名だけで選ばず、学んだことと驚きを分けて書く。 |
2026年の小学校高学年向け課題図書
高学年は、友情、家族、社会、平和、挑戦など、少し大きなテーマにも向き合えます。ただし、大きなテーマをきれいにまとめようとしすぎると、本人の感想が薄くなります。まずは心に残った一場面から始めます。
| 本 | 向く子 | 感想文の切り口 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ポジション! 物語 | スポーツ、友達、チーム、自分の役割を書きたい子 | チームの中で自分の場所を見つける過程を、自分の学校生活に重ねやすい。 | 試合の勝ち負けより、役割を考えた場面を中心にする。 |
| リヒト! 物語 | 家族、旅、手紙、知らなかった人の思いに関心がある子 | 祖母の手紙をきっかけに、家族の見え方が変わる点を書きやすい。 | 登場人物の関係を整理してから読むと、感想が迷子になりにくい。 |
| ミシュカ 物語 | 家族、戦争、難民、平和について考えたい子 | 遠い国の話を、自分の安心できる場所や家族の存在とつなげられる。 | 重いテーマなので、無理にきれいな結論にまとめない。 |
| キミの一歩アフリカ:ゾウを食べるにはひと口ずつ ノンフィクション | 海外、自然、社会問題、行動する人に関心がある子 | 大きな問題も一歩ずつ進めるという考えを、自分の挑戦に置きかえやすい。 | アフリカの説明だけで終わらず、自分なら何を一歩にするかを書く。 |
書きやすい本を選ぶための3つの質問
- 読み終わったあと、子どもが自分から話した場面はあるか。
- 主人公や登場人物に「わかる」「ちがう」と言える場面があるか。
- 自分の生活、家族、学校、習い事、友達との出来事につなげられるか。
この3つのうち一つでも答えられれば、感想文にできます。反対に、内容は立派でも、子どもが何も話せない本は、書くときに苦しくなりやすいです。
読書感想文は4段落で考える
| 段落 | 書く内容 | 文の型 |
|---|---|---|
| 1段落目 | この本を選んだ理由、読む前に気になったこと。 | 私は、○○というところが気になって、この本を読みました。 |
| 2段落目 | 一番心に残った場面。あらすじは短く。 | 一番心に残ったのは、主人公が○○した場面です。 |
| 3段落目 | 感じたことと理由。自分の経験を入れる。 | 私にも、似たように○○したことがあります。そのとき私は……。 |
| 4段落目 | 読む前後で変わった考え、これからしたいこと。 | この本を読んで、これからは○○してみたいと思いました。 |
あらすじは必要ですが、長く書きすぎない方がよいです。目安としては、あらすじは全体の3分の1まで。残りは「感じたこと」「理由」「自分の経験」「これから」に使います。
あらすじだけにならないための直し方
| 迷いやすい書き方 | なぜ弱いか | 直し方 |
|---|---|---|
| 本のあらすじを最初から最後まで書く。 | 読書感想文ではなく、本の紹介になりやすい。 | 一番心に残った場面を一つにしぼる。 |
| 「おもしろかったです」だけで終わる。 | どこが、なぜおもしろかったのかが伝わらない。 | 場面、理由、自分の経験をセットで書く。 |
| 難しそうな本を選ぶ。 | 読み切れず、感想が借り物になりやすい。 | 読み返せる長さで、自分とつなげられる本を選ぶ。 |
| 大人の感想に寄せすぎる。 | 子ども本人の声が薄くなる。 | 少し幼くても、自分の言葉で考えたことを残す。 |
添削していて多いのは、「本の内容はよく分かるけれど、書いた子の考えが見えない」作文です。読書感想文では、うまい感想を書くよりも、本を読んで自分の見方が少し変わったところを書く方が伝わります。
家庭でできる声かけ例
- 「どの場面で一番止まった?」
- 「主人公に一言いうなら、何と言う?」
- 「自分にも似たことがあった?」
- 「読む前と読んだ後で、考えが変わったことはある?」
- 「この本を友達にすすめるなら、どんな子にすすめる?」
「何を書けばいいの?」と聞かれたとき、すぐに文章を作ってあげるより、まずは短い質問で材料を出す方が安全です。子どもの言葉をメモしてから、段落に並べます。
よくある質問
Q. 課題図書は全部読んでから選ぶべきですか?
全部読めれば理想ですが、現実には難しいです。まずは題名、表紙、最初の数ページ、子どもが話した反応を見て、読み切れそうな本を選びます。
Q. 書きやすいのは物語ですか、ノンフィクションですか?
気持ちを書きやすい子は物語、調べたことや驚いたことを書きやすい子はノンフィクションが向いています。どちらが上というより、子どもの話しやすい方を選びます。
Q. 親はどこまで手伝っていいですか?
本を選ぶ相談、場面を思い出す質問、構成メモの整理までは手伝いやすいです。本文を親が作ってしまうと本人の感想が消えるので、言葉は子どものものを残します。
Q. 読書感想文が短くなってしまいます。
短くなる子は、感想がないのではなく、場面と経験をつなげる前に書き始めていることが多いです。「どの場面」「なぜ」「自分にも似たことはあるか」をメモしてから書くと伸ばしやすくなります。
Q. 課題図書以外で書いてもいいですか?
学校やコンクールの案内によります。課題図書部門で出す場合は指定があります。学校提出だけなら自由図書でよい場合もあるので、配られたプリントを確認してください。
まとめ|2026年の課題図書は、子どもの話しやすさで選ぶ
2026年の小学生向け課題図書は、物語、科学、ノンフィクション、社会的なテーマまで幅があります。どれが一番よい本かではなく、子どもが「この場面のことなら話せる」と思える本を選ぶことが大切です。
本を選んだら、すぐに本文を書かず、まずは心に残った場面を一つ選びます。その場面について、感じたこと、自分の経験、これからどうしたいかをメモしてから書くと、あらすじだけの感想文になりにくくなります。
あわせて使うと書きやすい記事・プリント

