文節の働き|主語・述語の見つけ方を中学生向けに解説

主語・述語など文節の働きを中学生向けに整理した図解 国語

この記事では、中学文法の「文節の働き」のうち、特に迷いやすい主語述語の見つけ方を詳しく整理します。

主語は「は」「が」がつく文節だけだと思われがちですが、実際には「も」「こそ」「だけ」「さえ」などがつく文節も主語になることがあります。また、倒置法では述語が文の最後に来ないこともあります。

さらに、「象は鼻が長い」のように、主語が一つだけとは言い切りにくい文もあります。中学生のテストでどう考えればよいか、そして少し深く見ると何が問題になるのかを、例文と表で確認していきましょう。

30秒でわかる文節の働き

  • 主語は、「何が」「誰が」にあたる文節。
  • 述語は、主語が「どうする」「どんなだ」「何だ」「ある・いる」を表す文節。
  • 主語は「は」「が」だけでなく、「も」「こそ」「だけ」「さえ」がつくこともある。
  • 倒置法では、述語が文の最後ではなく、前のほうに来ることがある。
  • 迷ったら、先に述語を見つけてから「何が」「誰が」と問いかける。

文節の働きとは

文節の働きとは、文の中でそれぞれの文節がどんな役割をしているか、ということです。中学文法では、まず次の5つを押さえると整理しやすくなります。

働き役割見分ける質問
主語文の中心になる人・もの・ことを表す。母が / 作る。誰が作るのか。
述語主語がどうするか、どんな状態かを表す。母が / 作る。母がどうするのか。
修飾語ほかの文節を詳しく説明する。夕食を / 作る。何を作るのか。
接続語前後の内容をつなぐ。しかし / 雨が降った。前の内容とどうつながるか。
独立語呼びかけ・応答・感動などを表す。はい、/ 分かりました。ほかの文節に直接かからないか。

この記事では、この中でも間違えやすい主語述語を中心に扱います。文節そのものの区切り方を確認したい人は、先に文節分けの練習問題で確認しておくと分かりやすいです。

一つの文節だけでなく、連文節で働くことがある

テストで少し難しくなるのは、二つ以上の文節がまとまって一つの働きをする場合です。このまとまりを連文節といいます。

一文節だけで働くときは「主語」「述語」「修飾語」と呼びますが、連文節として働くときは「主部」「述部」「修飾部」のように、「語」ではなく「部」で呼びます。

まとまり働き考え方
父と/母が/来る。父と/母が主部来るのは「父」だけでなく「母」もなので、二文節で主語の働きをする。
雨が/強く/降って/きた。降って/きた述部「どうしたのか」は「降ってきた」なので、二文節で述語の働きをする。
花の/みつを/吸う。花の/みつを修飾部「何を吸うのか」をまとめて表している。
机の/上に/ノートと/筆箱が/ある。ノートと/筆箱が主部あるものが二つ並んでいるので、まとめて主部になる。

「語」と「部」の違い

一文節なら「主語」「述語」「修飾語」、二文節以上のまとまりなら「主部」「述部」「修飾部」と考えます。問題文に「主語を答えなさい」とあるのか、「主部を答えなさい」とあるのかを確認しましょう。

連文節をもっと詳しく確認したい人は、文節どうしの関係の記事で、並立・補助・連文節の見分け方も確認できます。

主語の見つけ方

主語は、その文で「何が」「誰が」にあたる文節です。ただし、文の最初にある文節が必ず主語とは限りません。

主語を探す手順

  1. まず述語を見つける。
  2. その述語に対して「何が」「誰が」と問いかける。
  3. 答えになる文節を、文節ごとに抜き出す。
  4. 「は」「が」「も」「こそ」「だけ」「さえ」などがつく文節も候補に入れる。
例文問いかけ主語述語
母が夕食を作る。誰が作るのか。母が作る
机の上に本がある。何があるのか。本がある
兄も試合に出た。誰が出たのか。兄も出た
この答えこそ正しい。何が正しいのか。この答えこそ正しい

「は」「が」だけでなく「も」「こそ」「だけ」「さえ」も主語になる

主語というと「が」がつく文節を思い浮かべる人が多いです。たしかに「花が咲く」の「花が」は主語です。しかし、主語を表す文節には、ほかの助詞がつくこともあります。

主語になりやすい形例文主語ポイント
私は図書室へ行く。私は「誰が行くのか」にあたる。
花が咲いた。花が主語として最も見つけやすい形。
弟も手伝った。弟も「弟が手伝った」に近い意味で考える。
こそ努力こそ大切だ。努力こそ強く示しているが、文の中心になる文節。
だけ妹だけ残った。妹だけ「誰が残ったのか」にあたる。
さえ一年生さえ解けた。一年生さえ「誰が解けたのか」にあたる。

注意:「助詞の名前」だけで決めない

「は」「が」「も」などがついているから、必ず主語だと決めつけるのは危険です。大事なのは、述語に対して「何が」「誰が」と問いかけたときに答えになるかどうかです。

述語の見つけ方

述語は、主語が「どうする」「どんなだ」「何だ」「ある・いる」などを表す文節です。文の終わりに来ることが多いですが、倒置法では文の前のほうに来ることもあります。

述語の種類例文述語表していること
動作姉が走る。走るどうする
状態・性質空が青い。青いどんなだ
説明これは辞書だ。辞書だ何だ
存在机の上に本がある。あるある・いる

修飾語・被修飾語もあわせて見る

主語と述語を見つけるときは、修飾語も一緒に見ると文の形がはっきりします。修飾語は、ほかの文節を詳しく説明する文節です。説明される側の文節を被修飾語といいます。

問いかけ例文修飾語被修飾語
何を母が/夕食を/作る。夕食を作る
いつ明日/兄が/帰る。明日帰る
どこで公園で/弟が/遊ぶ。公園で遊ぶ
どのようにゆっくり/妹が/歩く。ゆっくり歩く
どのような大きな/木が/立っている。大きな木が

修飾語を見ると主語・述語も見えやすくなる

たとえば「公園で/弟が/遊ぶ」では、「公園で」は「遊ぶ」を詳しく説明する修飾語です。主語は「弟が」、述語は「遊ぶ」です。修飾語を主語と間違えないように、まず「何が・誰が」と「どうする」を分けて考えましょう。

倒置法では述語が先に来ることがある

倒置法とは、ふつうの語順を入れ替えて、印象を強める表現です。倒置法では、述語が文の最後に来ないことがあります。

倒置された文ふつうの語順に直すと主語述語
美しいな、この夕焼けは。この夕焼けは美しいな。この夕焼けは美しいな
行ったよ、兄も。兄も行ったよ。兄も行ったよ
静かだ、今日の教室は。今日の教室は静かだ。今日の教室は静かだ

倒置法の見つけ方

文末だけを見て述語を決めるのではなく、「ふつうの語順に直すとどうなるか」を考えます。主語と述語の対応が見えれば、倒置された文でも落ち着いて答えられます。

「象は鼻が長い」の主語はどちらか

「象は鼻が長い」は、主語を考えるときにとても面白い文です。候補は「象は」と「鼻が」の二つに見えます。

見方主語として見る文節理由
中学文法でまず見る鼻が「何が長いのか」と考えると、「鼻が」が「長い」に直接対応する。
文全体の話題として見る象はこの文全体は「象」について説明している。
少し深く見る象は=主題、鼻が=小さな主語「象について言えば、鼻が長い」と考えると分かりやすい。

テストでは問題の指示に合わせる

「述語『長い』に対応する主語を答えなさい」と聞かれたら、基本的には「鼻が」と考えます。一方で、「この文は何について述べているか」と聞かれたら、「象は」が大きな話題になります。主語を一つだけ機械的に決めるのではなく、何を問われているかを見ることが大切です。

主語が省略される文もある

日本語では、主語が文に書かれていないこともあります。特に会話文や短い文では、前後の流れから分かる主語が省略されます。

主語考え方
急いで走った。文の中には書かれていない誰が走ったのかは前後の文脈で判断する。
宿題を出してください。文の中には書かれていない聞き手に向けた文なので、「あなたは」などが省略されていると考えられる。

間違えやすい考え方

迷いやすい文NGの考え方正しい考え方
机の上に本がある。文の最初だから「机の上に」が主語。「何があるのか」と考えるので、主語は「本が」。
美しいな、この花は。文末の「この花は」が述語。倒置法なので、述語は「美しいな」。主語は「この花は」。
妹だけ残った。「が」がないから主語はない。「誰が残ったのか」にあたる「妹だけ」が主語。
象は鼻が長い。どちらか一つを絶対の答えとして決めつける。「長い」に直接対応するのは「鼻が」。文全体の話題は「象は」。

NG例

「文の最初にあるから主語」「文の最後にあるから述語」とだけ覚えると、倒置法や省略のある文で間違えやすくなります。順番ではなく、文節どうしの意味の関係で考えましょう。

作文にも役立つ主語と述語の照応

主語と述語は、読解問題だけでなく作文でも大切です。主語と述語の意味がきちんと対応していることを、文法では照応と考えることがあります。

主語と述語がかみ合っていない文は、読みにくくなります。作文を書いたあとに、主語と述語だけを取り出して確認すると、文のねじれに気づきやすくなります。

主語述語確認ポイント
私の目標は、毎日練習を続けることです。私の目標は続けることです「目標」が「続けること」と対応している。
私の目標は、毎日練習を続けます。私の目標は続けます「目標」が「続けます」と直接つながりにくい。
この本のおもしろいところは、登場人物の気持ちが少しずつ変わるところです。この本のおもしろいところは変わるところです「おもしろいところ」と「変わるところ」が対応している。
この本のおもしろいところは、登場人物の気持ちが少しずつ変わります。この本のおもしろいところは変わります主語と述語を取り出すと、文がねじれていることに気づける。

作文を書いたあとに見るところ

  1. 一文ごとに主語と述語を取り出す。
  2. 「何が、どうする」「何が、どんなだ」と自然につながるか確認する。
  3. 長い文で分かりにくければ、文を二つに分ける。

作文で主語と述語がずれる例は、主語と述語のねじれ直し方でも詳しく確認できます。

練習問題

次の文の主語と述語を考えましょう。答えはクリックすると開きます。

問題答え見るポイント
1. 母が夕食を作る。
答えを見る
主語:母が
述語:作る
誰が作るのか。
2. 兄も図書館へ行った。
答えを見る
主語:兄も
述語:行った
「も」がついていても主語になる。
3. この答えこそ正しい。
答えを見る
主語:この答えこそ
述語:正しい
何が正しいのか。
4. 妹だけ最後まで残った。
答えを見る
主語:妹だけ
述語:残った
誰が残ったのか。
5. 一年生さえ解けた。
答えを見る
主語:一年生さえ
述語:解けた
「さえ」がつく文節も主語の候補になる。
6. 静かだ、今日の教室は。
答えを見る
主語:今日の教室は
述語:静かだ
倒置法なので、ふつうの語順に直す。
7. 机の上に本がある。
答えを見る
主語:本が
述語:ある
何があるのか。
8. 象は鼻が長い。
答えを見る
「長い」に直接対応する主語:鼻が
文全体の話題:象は
問いの内容によって見方が変わる。
9. はい、分かりました。
答えを見る
述語:分かりました
「はい」は独立語。主語は文中には書かれていない。
独立語と主語を混同しない。
10. 急いで走った。
答えを見る
述語:走った
主語は文中には書かれていない。
主語が省略される文もある。

Q&A

主語は必ず文の最初にありますか?
必ず最初にあるわけではありません。「机の上に本がある」の主語は、文の途中にある「本が」です。文の順番ではなく、述語に対して「何が」「誰が」と聞いて考えます。
「は」と「が」はどちらも主語になりますか?
中学文法では、「私は行く」の「私は」も、「花が咲く」の「花が」も主語として扱います。ただし、「は」は文全体の話題を示すこともあるので、述語との関係を見て判断します。
「も」「こそ」「だけ」「さえ」がついた文節も主語になりますか?
なります。たとえば「兄も来た」「努力こそ大切だ」「妹だけ残った」「一年生さえ解けた」では、それぞれ「兄も」「努力こそ」「妹だけ」「一年生さえ」が主語として考えられます。
倒置法の文では、述語をどう見つければよいですか?
ふつうの語順に直して考えます。「美しいな、この夕焼けは」は「この夕焼けは美しいな」と直せるので、主語は「この夕焼けは」、述語は「美しいな」です。
「象は鼻が長い」の主語は「象は」と「鼻が」のどちらですか?
「長い」に直接対応する主語は「鼻が」です。ただし文全体は「象」について述べているので、「象は」は大きな話題、つまり主題として見ることができます。テストでは、問題が何を聞いているかに合わせて答えましょう。
主語がない文もありますか?
あります。日本語では、前後の流れで分かる主語が省略されることがあります。「急いで走った」のような文では、誰が走ったのかは文の中だけでは分かりません。

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まとめ

文節の働きを考えるときは、まず主語と述語の対応を見つけることが大切です。主語は「何が」「誰が」にあたる文節、述語は「どうする」「どんなだ」「何だ」「ある・いる」などを表す文節です。

ただし、主語は「は」「が」だけでなく、「も」「こそ」「だけ」「さえ」がつくこともあります。倒置法では述語が先に来ることもあり、「象は鼻が長い」のように、文全体の話題と述語に直接対応する主語を分けて考えたほうが分かりやすい文もあります。

順番だけで判断せず、述語から「何が」「誰が」と問いかける。この流れを身につけると、主語・述語の問題はかなり安定して解けるようになります。

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