音読みと訓読みを見分けるときは、送り仮名を見る → 漢字だけの熟語か見る → 読みだけで意味が浮かぶか考える → 漢字辞典で確かめるの順で進めます。送り仮名があれば訓読みの可能性が高く、漢字だけの二字熟語は音+音が多いものの、どちらにも例外があります。
そのため、読みの長さや一つの目印だけで答えを決めません。いくつかの手がかりから予想し、最後に辞典で音・訓の表示を確かめると、初めて見る熟語にも対応できるようになります。
| 比べる点 | 音読み | 訓読み |
|---|---|---|
| 生まれ方 | 中国から伝わった読みをもとにした | 漢字の意味に合う日本語を当てた |
| 辞典の表し方 | カタカナで示す辞典が多い | ひらがなで示し、送り仮名も載せる辞典が多い |
| 例 | 山脈(サンミャク)の「サン」 | 山道(やまみち)の「やま」 |
| 意味の感じ方 | 読みだけでは意味が浮かびにくいことが多い | 読みだけで意味が浮かぶことが多い |
| 注意 | 一文字でも音読みの語がある | 送り仮名のない訓読みもある |
音読みと訓読みの違いを一言で整理する
音読みは、中国から漢字とともに伝わった読み方を、日本語で発音しやすい形にしたものです。たとえば山脈の「サン」、学校の「ガク」「コウ」が音読みに当たります。
訓読みは、漢字の意味に合う、もともと日本で使われていた言葉を読み方として当てたものです。山の「やま」、道の「みち」、食べるの「た」が訓読みに当たります。
同じ漢字に音読みと訓読みの両方があるのは、漢字の形と意味を受け入れながら、日本語の言葉にも当てて使ってきたためです。どちらが正しい読みということではなく、言葉によって使い分けます。
音読みと訓読みを見分ける4段階
問題では、最初から辞典の答えを暗記しているとは限りません。まず見た目と言葉の意味から予想し、分からないものを辞典へ戻す順番を身につけます。
| 順番 | 見る手がかり | 予想 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 1 | 送り仮名が付いている | 訓読みの可能性が高い | 「食べる」の「た」、「新しい」の「あたら」など |
| 2 | 漢字だけの二字熟語 | 音+音が多い | 青空・手紙のような訓+訓もある |
| 3 | 読みだけで意味が分かる | 訓読みの可能性が高い | 「絵(え)」のような例外がある |
| 4 | 漢字辞典の音・訓欄 | 答えを確定できる | 熟語の読みも同時に見る |
大切なのは、一つの手がかりだけで決めないことです。「送り仮名がある」はかなり強い目印ですが、「送り仮名がない」だけでは音読みと決められません。「山」「川」「空」など、送り仮名なしの訓読みがあるからです。
また、漢字二字の熟語は音+音が多いものの、「青空」「手紙」のような訓+訓、「重箱」「場所」のような混ざった読みもあります。予想と例外をセットで覚えます。
送り仮名があれば訓読みを見つけやすい
「食べる」の「べる」、「新しい」の「しい」のように、漢字の後ろに付いて活用や意味を補う仮名を送り仮名と呼びます。送り仮名がある言葉では、漢字に当たる読みが訓読みであることが多く、小学生が最初に使いやすい手がかりです。
| 言葉 | 読み方 | 判定 | 分かること |
|---|---|---|---|
| 食べる | たべる | 「た」が訓読み | 「べる」が送り仮名 |
| 新しい | あたらしい | 「あたら」が訓読み | 「しい」が送り仮名 |
| 動く | うごく | 「うご」が訓読み | 「く」が送り仮名 |
| 明るい | あかるい | 「あか」が訓読み | 「るい」が送り仮名 |
| 長さ | ながさ | 「なが」が訓読み | 「さ」が送り仮名 |
「食べる」全体を訓読みと答えるのではなく、漢字「食」の訓読みは「たべる」のうち「た」、送り仮名は「べる」と分けて考えます。辞典では「た・べる」のように区切って示されます。
形が変わる言葉では、「動く・動かす」「明るい・明るさ」のように送り仮名も変わります。共通して漢字で表す部分を見つけると、どこまでが漢字の読みか分かりやすくなります。
送り仮名がなくても訓読みはある
山、川、空、皿、手のように、一字だけで物や場所を表し、送り仮名を付けない訓読みがあります。したがって「送り仮名なし=音読み」という決め方は使えません。
| 漢字 | 読み | 判定 | なぜ迷いやすい? |
|---|---|---|---|
| 山 | やま | 訓読み | 送り仮名がないが、日本語として意味が浮かぶ |
| 川 | かわ | 訓読み | 一字だけで物を表す |
| 空 | そら | 訓読み | 「空(クウ)」という音読みもある |
| 皿 | さら | 訓読み | 仮名が後ろに付かない |
| 駅 | エキ | 音読み | 一字で意味が分かっても音読み |
| 絵 | エ | 音読み | 日常語として意味が分かるため訓読みに見えやすい |
反対に、「駅(エキ)」「絵(エ)」「肉(ニク)」のように、一字で日常的な意味が分かっても音読みの語があります。「読みだけで意味が浮かぶなら訓読み」という目印にも例外があるわけです。
一字の語で迷ったら、その漢字を使う別の言葉を思い出します。「空」なら空色の「そら」は訓読み、空気の「クウ」は音読みです。同じ漢字の別の読みと比べた後、辞典で確認します。
二字熟語は4つの組み合わせに分ける
二字熟語を一字ずつ分けると、音+音、訓+訓、音+訓、訓+音の四つになります。学校では音+音の熟語が多く見つかりますが、混合する読みも珍しくありません。
| 組み合わせ | 例 | 分け方 | 呼び方 |
|---|---|---|---|
| 音+音 | 学校(がっこう) | ガク+コウ | 基本の音音 |
| 音+音 | 電車(でんしゃ) | デン+シャ | 基本の音音 |
| 訓+訓 | 青空(あおぞら) | あお+そら | 基本の訓訓 |
| 訓+訓 | 手紙(てがみ) | て+かみ | 基本の訓訓 |
| 音+訓 | 重箱(じゅうばこ) | ジュウ+はこ | 重箱読み |
| 音+訓 | 台所(だいどころ) | ダイ+ところ | 重箱読み |
| 訓+音 | 場所(ばしょ) | ば+ショ | 湯桶読み |
| 訓+音 | 湯桶(ゆとう) | ゆ+トウ | 湯桶読み |
音+訓を重箱読みと呼びます。「重箱」の「ジュウ」が音読み、「はこ」が訓読みで、言葉の中では「ばこ」と濁ります。訓+音を湯桶読みと呼びます。「湯桶」の「ゆ」が訓読み、「トウ」が音読みです。
連濁によって「はこ」が「ばこ」、「かみ」が「がみ」になることがあります。音が変わっても、元の漢字の読みを考えれば分類できます。手紙なら「て+かみ」が濁って「てがみ」なので訓+訓です。
読み方が多い漢字は言葉ごとに覚える
「生」「上」「下」「行」のように、音読みも訓読みも複数ある漢字があります。読みを一列にして全部暗記しようとすると、どの言葉で使うかが混ざりやすくなります。
| 漢字 | 音読みの例 | 訓読みの例 | 言葉の例 |
|---|---|---|---|
| 生 | セイ・ショウ | いきる・うむ・なま | 生活、生涯、生き物、生卵 |
| 上 | ジョウ・ショウ | うえ・あがる・のぼる | 上達、上手、机の上、山を上る |
| 下 | カ・ゲ | した・さがる・くだる | 地下、下品、机の下、坂を下る |
| 行 | コウ・ギョウ | いく・おこなう | 旅行、行列、学校へ行く、行い |
| 明 | メイ・ミョウ | あかるい・あける | 説明、明朝、明るい、夜が明ける |
「生」なら、まず学校で出会った「生活(セイ)」「生きる(い)」「生卵(なま)」を別々のカードへ書きます。読みの横に短い例文を付けると、意味と使う場面を一緒に覚えられます。
同じ訓読みでも送り仮名が変わる場合があります。「上がる」「上げる」「上る」は、意味と使い方が違います。音・訓だけで終わらせず、教科書や辞典の用例まで確認してください。
間違えやすい決めつけと直し方
音読みと訓読みには便利な傾向がありますが、傾向を絶対の規則として使うと例外で間違えます。間違えた問題では、答えを赤で写すだけでなく、自分がどの決めつけを使ったかを確認します。
| 決めつけ | なぜ間違う? | 直し方 |
|---|---|---|
| 送り仮名がなければ音読み | 山・川・空など訓読みでも送り仮名がない | 意味と辞典の表示も見る |
| 漢字二字なら必ず音+音 | 青空・手紙・足音など訓+訓もある | 一字ずつ知っている読みへ分ける |
| 読みが短ければ音読み | 「絵(え)」も「手(て)」も一拍だが判定が違う | 長さを根拠にしない |
| 意味が分かれば必ず訓読み | 駅・絵・肉など日常語でも音読みがある | 成り立ちではなく辞典で確定する |
| 全部の読みを一度に暗記する | 多い漢字は混ざりやすい | 習った熟語・例文ごとに覚える |
たとえば「絵(え)」を訓読みと答えたなら、「意味が分かるものは全部訓読み」と考えていなかったかを振り返ります。カードに「意味は手がかり。ただし絵・駅・肉など例外あり」と一言書き、翌日にもう一度判断します。
読みの長さも決定的な手がかりではありません。短い「エ」は音読み、短い「て」は訓読みです。長い・短いではなく、送り仮名、熟語での使われ方、意味、辞典の表示を合わせて見ます。
漢字辞典で予想を確かめる
辞典を引くのは、分からないときの最後の手段ではありません。自分の予想が合っていたか、どの熟語でその読みを使うかを確かめる学習です。音読みはカタカナ、訓読みはひらがなで載せる辞典が多いので、凡例も確認します。
| 辞典で見る場所 | 分かること | ノートへの残し方 |
|---|---|---|
| 見出しの音・訓欄 | どの読みが音読み・訓読みか | 音はカタカナ、訓は送り仮名まで書く |
| 熟語の例 | 実際の言葉でどの読みを使うか | 問題に出た熟語へ線を引く |
| 意味の番号 | 同じ漢字の意味の違い | その熟語に合う番号を書く |
| 部首・画数 | もう一度引くための情報 | 部首名と総画数を小さく記録 |
「場所」を調べるなら、「場」の「ば」と「所」の「ショ」を一字ずつ引きます。「場」の訓読み欄、「所」の音読み欄を確認し、熟語例にも場所があるか見ます。答えだけでなく、辞典のどこに根拠があったかを言えるようにします。
辞典によって記号や並べ方が異なります。最初のページや巻末にある「この辞典の使い方」を一度読むと、音・訓、送り仮名、熟語、部首の表示を迷わず探せます。
家庭学習は予想・確認・分類を短く繰り返す
一度に多くの漢字を分類するより、教科書や宿題で迷った五語ほどを使います。まず自分で予想し、次に辞典で確認し、最後に別の熟語を一つ探す流れです。
| 学習の段階 | すること | 時間の目安 | できた目安 |
|---|---|---|---|
| 予想 | 送り仮名・熟語・意味を見る | 1語30秒 | 根拠を一つ言える |
| 確認 | 漢字辞典で音・訓を見る | 1語1分 | 予想との違いが分かる |
| 分類 | 音音・訓訓・混合へ分ける | 5語3分 | 一字ずつ読みに分けられる |
| 例文 | 同じ読みを使う言葉を書く | 1語1分 | 別の熟語でも読める |
| 翌日復習 | 間違えたカードだけ見る | 3分 | 答えと理由を言える |
低学年は、送り仮名のある訓読みと、山・川・手のような身近な訓読みを中心にします。中学年は音音・訓訓を分け、高学年は重箱読み・湯桶読みや、読みの多い漢字も扱います。ただし、学校で習っていない用語を無理に先取りする必要はありません。
保護者が答えを教える前に、「送り仮名はある?」「一字ずつ知っている読みへ分けられる?」「読みだけで意味が浮かぶ?」と順番に質問します。本人が根拠を一つ言えたら、その予想を辞典で確かめます。外れても、予想した理由が分かれば次の問題に生かせます。
練習問題:一字ずつ読み方を確かめる
答えを開く前に、送り仮名、熟語、意味のどれを手がかりにしたかを一言書きます。混合する熟語は、一字目と二字目を分けて考えてください。
問題1 「山道(やまみち)」はどの組み合わせ?
答え:「山」の「やま」も、「道」の「みち」も訓読みなので、訓+訓です。
理由:どちらも読みだけで日本語の意味が浮かびます。ただし、最終的な音・訓の区別は辞典でも確認できます。
問題2 「学校(がっこう)」はどの組み合わせ?
答え:「学」の「ガク」と「校」の「コウ」は、どちらも音読みなので音+音です。
注意:実際の発音は「がくこう」ではなく、音が変化して「がっこう」になります。一字ずつの読みを考えるときは、元の読みも確認します。
問題3 「新しい」の訓読みと送り仮名を分けよう
答え:漢字「新」の訓読み部分は「あたら」、送り仮名は「しい」です。
理由:辞典では訓読みを「あたら・しい」のように区切って示すことがあります。漢字の後ろ全部を訓読みと呼ぶのではありません。
問題4 「重箱(じゅうばこ)」の読み方は?
答え:「重」の「ジュウ」が音読み、「箱」の「はこ」が訓読みです。「はこ」は言葉の中で濁って「ばこ」になります。音+訓なので重箱読みです。
問題5 「場所(ばしょ)」の読み方は?
答え:「場」の「ば」が訓読み、「所」の「ショ」が音読みです。訓+音なので湯桶読みの仲間です。
注意:一字目がひらがなで書けそう、二字目がカタカナで示される読み、と考えた後に辞典で確かめます。
問題6 「絵(え)」は意味が分かるから訓読み?
答え:「エ」は音読みです。
理由:読みだけで意味が分かるという目印には例外があります。「意味が分かるから訓読み」と一つの手がかりだけで決めず、辞典の音・訓表示で確定します。
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無料:音読み・訓読み判定カード
問題で迷った読みを、手がかりと辞典の答えまで一枚に記録します。ノートへ同じ表を書いて使えます。
| 漢字・言葉 | 読み | 見つけた手がかり | 辞典で確認した答え |
|---|---|---|---|
| 山道 | やまみち | 読みだけで意味が分かる | 訓+訓 |
| 学校 | がっこう | 漢字二字の熟語 | 音+音 |
| 重箱 | じゅうばこ | 二つの読み方が違いそう | 音+訓 |
| 場所 | ばしょ | 「ば」は意味が浮かぶ | 訓+音 |
※予想が外れても消さず、どの手がかりだけでは決められなかったかを書きます。
よくある質問
Q1 音読みはカタカナ、訓読みはひらがなで書くのですか?
漢字辞典では区別しやすいように、音読みをカタカナ、訓読みをひらがなで示すことが多いです。しかし、文章の中では「学校」を「ガッコウ」と書くわけではありません。カタカナ・ひらがなは辞典での表示方法であり、音読みと訓読みの成り立ちそのものを決める規則ではありません。
Q2 送り仮名があれば必ず訓読みですか?
小学校の問題では強い手がかりになります。「食べる」「明るい」の漢字部分は訓読みです。ただし、送り仮名がない訓読みも多いため、反対に「送り仮名がないから音読み」とは決められません。熟語や意味、辞典の表示も見ます。
Q3 二字熟語は全部音読みですか?
音+音が多いものの、全部ではありません。青空・手紙は訓+訓、重箱は音+訓、場所は訓+音です。一字ずつ知っている読みへ分け、どの組み合わせかを確かめます。
Q4 重箱読みと湯桶読みは覚える必要がありますか?
学校やテストの範囲によっては名称を問われます。まずは、二字熟語には音音・訓訓だけでなく、音+訓と訓+音もあると理解してください。音+訓の代表が重箱なので重箱読み、訓+音の代表が湯桶なので湯桶読みと覚えます。
Q5 同じ漢字に読み方が多くて覚えられません
「生」の読みを一覧で全部覚えるより、生活、生き物、生卵のように、実際の言葉で一つずつ覚えます。音読みと訓読みのカードへ、学校で出会った熟語と短い例文を残し、翌日に間違えたものだけ戻る方が混ざりにくくなります。
Q6 テストで迷ったらどうすればよいですか?
まず送り仮名を見て、次に漢字一字ずつ知っている読みへ分けます。読みだけで意味が浮かぶかも考えます。それでも迷う語は例外の可能性があります。家庭学習では必ず辞典へ戻り、学校のテスト中は知っている同じ読みの熟語を思い出して判断します。
まとめ
音読みと訓読みは、便利な目印を使いながらも、例外を前提に考えると見分けやすくなります。
- 音読みは中国から伝わった読みをもとにし、訓読みは漢字の意味に日本語を当てたもの。
- 送り仮名があれば訓読みの可能性が高い。
- 送り仮名のない訓読み、一字だけの音読みもある。
- 二字熟語は音音・訓訓・音訓・訓音の四つに分かれる。
- 音+訓は重箱読み、訓+音は湯桶読み。
- 一つの手がかりだけで決めず、最後は漢字辞典で確かめる。
今日の漢字から一語だけ選び、読みを一字ずつ分けてみましょう。予想の理由と辞典で確かめた答えを一緒に残すと、丸暗記ではなく、自分で判断する方法が身につきます。


