敬語は、相手や場面に合わせて言葉を整える表現です。小学生が最初に覚えるときは、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類に分けると、使い方が見えやすくなります。
簡単にいうと、相手の動作を高めるのが尊敬語、自分の動作を低くして相手を立てるのが謙譲語、文全体を丁寧にするのが丁寧語です。まずは学校生活で使う「来る・行く・見る・言う」から練習しましょう。
| 種類 | 誰の動作をどうする? | 代表的な言い方 |
|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手や目上の人の動作を高める | いらっしゃる・召し上がる・おっしゃる |
| 謙譲語 | 自分や身内の動作を低くして相手を立てる | 伺う・申し上げる・拝見する |
| 丁寧語 | 相手を選ばず、文全体を丁寧にする | です・ます・ございます |
尊敬語・謙譲語の一覧
敬語を選ぶときは、言葉だけを暗記せず、動作をする人を考えます。先生や相手の動作なら尊敬語、自分や自分の家族の動作なら謙譲語を使う場面が多くなります。
| 普通の言い方 | 尊敬語 | 謙譲語 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 来る・いる | いらっしゃる/お見えになる | 参る | 先生や訪問先について話す |
| 行く | おいでになる | 伺う/参る | 相手の場所へ行く |
| 見る | ご覧になる | 拝見する | 作品や資料を見る |
| 言う | おっしゃる | 申し上げる | 考えやお礼を伝える |
| 食べる | 召し上がる | いただく | 食事の話をする |
| 聞く・たずねる | お聞きになる | 伺う | 質問や確認をする |
| する | なさる | いたす | 行動について話す |
| 知っている | ご存じだ | 存じ上げる | 知識や相手を知っている |
同じ動詞でも、誰の動作を話しているかで表現が変わります。「先生が見る」なら「先生がご覧になる」、「私が見る」なら「私が拝見する」です。主語を見つけてから言い換えます。
普通の言い方を敬語へ直す手順
言い換えで迷ったら、①普通の文を書く、②動作をする人を探す、③敬語の種類を選ぶ、④声に出して場面を確かめる、の順で進めます。
| 練習の順番 | すること | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 普通の言い方を書く | 先生が来る |
| 2 | 動作をする人を探す | 先生が動作をする |
| 3 | 敬語の種類を選ぶ | 相手の動作なので尊敬語 |
| 4 | 文を言い換える | 先生がお見えになる |
| 5 | 声に出して確認する | 学校の場面に合うか考える |
「敬語に直す」と言われたら、文中のすべての言葉を難しくする必要はありません。動作を表す言葉と文末を、場面に合う範囲で整えます。
学校生活で使う敬語の例文
敬語は、学校の先生、職員室、電話、手紙など、少し改まった場面で使います。友達との普段の会話まで無理に変える必要はありません。誰に、どのように伝える場面かを考えます。
| 場面 | 普通の言い方 | 自然な言い方 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 先生に質問する | 先生に聞く | 先生に伺う | 自分の動作なので謙譲語 |
| 先生が来る | 先生が来る | 先生がお見えになる | 先生の動作なので尊敬語 |
| 電話を保留する | 少し待って | 少々お待ちください | 相手への表現を丁寧にする |
| お礼を伝える | ありがとう | ありがとうございます | 文を丁寧にする |
| 作品を見る | 見る | 拝見する | 自分の動作なので謙譲語 |
| 相手の考えを聞く | 何を言ったの? | 何とおっしゃいましたか | 相手の動作なので尊敬語 |
丁寧語の使い方
丁寧語は「です・ます」を中心に、聞く人や読む人に失礼にならない形へ整える表現です。尊敬語や謙譲語を使わない文でも、丁寧語にするだけで印象が変わります。
| 普通の言い方 | 丁寧な言い方 | 使う相手・場面 |
|---|---|---|
| 分かった | 分かりました | 先生や初対面の人との会話 |
| 待って | お待ちください | 電話や受付で相手にお願いする |
| ありがとう | ありがとうございます | お礼を丁寧に伝える |
| 分からない | 分かりません | 質問に答える |
| これでいい? | こちらでよろしいでしょうか | 確認をお願いする |
「こちらでよろしいでしょうか」「少々お待ちください」のように、お願いや確認では相手への配慮を添えます。家族との会話では普段の言い方でも、電話や手紙では丁寧な表現を選ぶことがあります。
「お名前」「ご住所」のように、名詞に「お」や「ご」を付ける言い方もあります。ただし、すべての言葉に付ければよいわけではありません。迷ったときは、教科書や辞書の例文で自然な組み合わせを確かめます。
丁寧語は相手を遠ざけるための言葉ではなく、関係を壊さずにお願いやお礼を伝えるための道具です。声の大きさや表情も含めて、相手が受け取りやすい言い方を考えます。家庭では、まず一つのお礼やお願いを丁寧語に直して声に出すところから始めます。
間違いやすい敬語
敬語は、難しい言葉を重ねればよいわけではありません。尊敬語を自分の動作に使ったり、同じ意味の表現を二つ重ねたりすると、不自然になることがあります。
| 間違いやすい言い方 | 直し方 | 理由 |
|---|---|---|
| 先生が参る | 先生がいらっしゃる | 「参る」は自分側の謙譲語 |
| 私がいらっしゃる | 私が伺う | 自分の動作に尊敬語を使わない |
| おっしゃられる | おっしゃる | 尊敬の意味が重なる二重敬語になりやすい |
| お名前をお聞きする | お名前を伺う | 場面によっては簡潔な表現が自然 |
| ご覧してください | ご覧ください | 「ご覧になる」と「ください」を混ぜない |
「おっしゃられる」のように、敬語の意味が重なる言い方を二重敬語と呼ぶことがあります。学校の問題では、まず基本の「おっしゃる」「ご覧になる」など、短く分かりやすい表現を選ぶと整理しやすくなります。
敬語を選ぶチェックリスト
書いた文を見直すときは、次の順番で確認します。答えだけでなく、どの人の動作かを説明できれば、別の文にも応用できます。
| 確認すること | 自分への質問 | 選ぶ表現 |
|---|---|---|
| 動作をする人 | 相手? 自分? | 相手なら尊敬語、自分なら謙譲語 |
| 伝える相手 | 目上の人? 友達? | 相手に合わせた丁寧さ |
| 場面 | 会話? 電話? 手紙? | その場面で自然な言い方 |
| 文の終わり | だ・であるになっていない? | です・ますで整える |
| 意味 | 言葉の意味が変わっていない? | 直した文を声に出す |
最後に文を声に出します。相手にお願いしているのに命令のように聞こえないか、先生の動作を自分の言葉にしていないかを耳で確かめます。
練習問題:敬語を使い分ける
次の問題は、無料チェックカードにも書き込めます。家庭では、答えを言う前に「誰の動作かな?」と一緒に考えてみてください。
「先生が来る」を尊敬語に直しましょう。
答えの例:先生がお見えになる。/先生がいらっしゃる。
「私が見る」を謙譲語に直しましょう。
答えの例:私が拝見する。
「ありがとう」を丁寧語に直しましょう。
答えの例:ありがとうございます。
「先生が参る」が不自然な理由を説明しましょう。
答えの例:「参る」は自分側の動作を低くする言葉なので、先生には「いらっしゃる」などを使う。
電話で相手に待ってもらうときの言い方を書きましょう。
答えの例:少々お待ちください。
「おっしゃられる」が長く感じられる理由を説明しましょう。
答えの例:「おっしゃる」に尊敬の意味があるため、「られる」を重ねない方が自然。
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無料:敬語言い換えチェックカード
普通の言い方を書いてから、誰の動作か、誰に伝えるかを考えて敬語へ直すカードです。学校生活の言葉を一つずつ練習できます。
| 欄 | 記入例 | 確認 |
|---|---|---|
| 普通の言い方 | 敬語に直す | 種類 |
| 先生が来る | 先生がお見えになる | 尊敬語 |
| 私が行く | 私が伺う | 謙譲語 |
| 今日は休みだ | 今日は休みです | 丁寧語 |
※答えを暗記するだけでなく、「なぜその種類になるか」を一言説明すると使い分けを確認できます。
よくある質問
小学生は謙譲語まで覚えた方がよいですか。
まずは尊敬語・謙譲語・丁寧語の役割を知り、学校や家庭で使う表現から練習します。すべての言葉を一度に覚えず、例文で使えるものを増やします。
「お」を付ければ敬語になりますか。
いつでも正しいわけではありません。「お茶」「お名前」のように自然な言葉もありますが、「おっしゃられる」のように意味が重なる場合もあります。言葉全体で確認します。
尊敬語と丁寧語の違いは何ですか。
尊敬語は相手の動作を高める言葉、丁寧語は文全体を丁寧にする言葉です。「先生がお見えになります」は、尊敬語と丁寧語を組み合わせています。
友達にも敬語を使いますか。
友達同士の普段の会話では必要ないことが多いですが、初対面の人、学校外の大人、電話の相手には丁寧な言い方が役立ちます。相手と場面で考えます。
手紙ではどの敬語を使えばよいですか。
お礼やお願いでは「ありがとうございます」「よろしくお願いします」のような丁寧語から始めます。相手の動作を表すときは尊敬語、自分の動作をへりくだるときは謙譲語を加えます。
敬語を覚える家庭学習はどう進めればよいですか。
普通の言い方を一つ書き、誰の動作かを考え、敬語へ直して声に出します。一日一文で十分です。間違えたら理由を確かめて、翌日にもう一度使います。
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まとめ
小学生の敬語は、尊敬語・謙譲語・丁寧語の役割を知り、学校生活の例文で使ってみると覚えやすくなります。普通の言い方を書いてから、誰の動作か、誰に伝えるかを考え、一文ずつ直していきましょう。
- 尊敬語は相手の動作を高める。
- 謙譲語は自分の動作を低くして相手を立てる。
- 丁寧語は文全体を「です・ます」などで整える。
- 敬語は言葉だけでなく、相手・自分・場面を見て選ぶ。
- 無料カードで一文ずつ練習し、必要なら教材を追加する。


