単語
単語には、「自立語」と「付属語」の二種類があります。
自立語と付属語
自立語:文節の最初にあって、それだけで文節を作ることができる。一つの文節のなかに一つしかない。
付属語:自立語の下に付く。それだけで文節を作ることができない。
練習問題(自立語・付属語)
「次の各文を自立語と付属語に分けなさい。」
①魚が川を泳ぐ。
まず文節で区切りましょう。
(文節)⇒魚が/川を/泳ぐ。
三つの文節に区切ることができましたね。
これを文節ごとに見ていくと、
文節の最初の単語は、
「魚」「川」「泳ぐ」
になっていることがわかりますね。
自立語は、「文節の最初にある」ので、
この文の自立語は「魚」「川」「泳ぐ」
となります。
では、もう一方の付属語は何でしょうか?
まず単語に区切ります。
(単語)⇒魚/が/川/を/泳ぐ。
このなかで、自立語は「魚」「川」「泳ぐ」だったので、
付属語は「自立語の下」にある、
「が」「を」
ということになります。
まとめると、
自立語⇒「魚」「川」「泳ぐ」
付属語⇒「が」「を」
となります。
②私には兄がいます。
まず文節に分けると、
(文節)⇒私には/兄が/います。
文節の最初の単語が自立語になるので、
「私」「兄」「い」が自立語ですね。
※「い」はもともと「いる」という意味の動詞が変形しているものなので、自立語になります。
その自立語の下に付いているものが付属語なので、「に」「は」「が」「ます」が付属語になります。
※単語の分け方に注意!
「私には」は「私に」でも「私は」でも意味が通るので、「私/に/は」と区切ります。
「ます」「です」も単語で区切るときは切るので注意しましょう。
③ドアから人が入ってくる。
(文節)⇒ドアから/人が/入って/くる。
文節の最初の単語は自立語なので、
「ドア」「人」「入っ」「くる」が自立語になります。
自立語の下にくっついているものが付属語なので
「から」「が」「て」が付属語になります。
※「~て」は「て」だけで付属語になるので注意しましょう。
④まだ食べているようだ。
(文節)まだ/食べて/いるようだ。
文節の最初の単語は自立語になるので、
「まだ」「食べ」「いる」
は自立語になります。
※文節に区切るときは「ようだ」で区切ることはできないので、「いるようだ」で一文節になります。
自立語の下にくっついているものが付属語になるので、「て」「ようだ」が付属語になります。
活用がある自立語・付属語
語形が変化する自立語・付属語を「活用がある」といいます。活用がある自立語かどうかは「ない」を付けて調べると良いです。
練習問題(活用がある自立語・付属語)
「次の各文を単語に分割し、『活用がある自立語』、『活用がない自立語』、『活用がある付属語』、『活用がない付属語』に振り分けなさい。」
①鳥が空を飛ぶ。
(文節)⇒鳥が/空を/飛ぶ。
文節の最初の単語が自立語なので、
「鳥」「空」「飛ぶ」が自立語になります。
この三つの自立語に「ない」を付けてみましょう。
すると、「鳥ない」「空ない」「飛ばない」となります。
このなかで意味が通るものは「飛ばない」なので、「飛ぶ」が活用がある自立語となります。
他の二つの自立語は「ない」を付けて意味が通らなかったので、活用がない自立語となります。
付属語は残りの「が」「を」です。
この二つは活用がない付属語となります。
※一文字の付属語は基本的に活用がないと思って大丈夫です。例外はありますが…。
②映画を見に行きたい。
(文節)⇒映画を/見に/行きたい。
文節の最初の単語が自立語なので、
「映画」「見」「行き」が自立語となります。
この三つに「ない」をつけると、
「映画ない」「見ない」「行かない」となり、
意味が通る「見」と「行き」が活用がある自立となります。
だから、「映画」は活用がない自立語となります。
付属語は「を」「に」「たい」ですが、「たい」が活用がある付属語。「を」「に」が活用がない付属語となります。
③ここから家まで走ります。
(文節)⇒ここから/家まで/走ります。
文節の最初の単語は自立語なので、
「ここ」「家」「走り」が自立語となります。
この三つの自立語に「ない」を付けてみると、「ここない」「家ない」「走らない」となります。
このなかで意味が通る「走り」は活用がある自立語となり、残りの「ここ」「家」は活用がない自立語となります。
付属語は残りの「から」「まで」「ます」ですが、「ます」は活用がある付属語。「から」「まで」は活用がない付属語となります。
活用がある付属語
「れる」「られる」
「せる」「させる」
「そうだ」「ようだ」
「ない」「たい」「ます」
これは一部の例ですが、まずこの9個は覚えてしまいましょう。
品詞の一覧
①名詞:自立語のなかで主語になることができるもの。体言と呼ぶこともある。活用はできない。
②連体詞:自立語のなかで主語になることができない。かつ、連体修飾語になるもの。活用はできない。
(例)大きな犬:「大きな」は「犬(体言)」を修飾しているので、連体詞。
③副詞:自立語のなかで主語になることができない。かつ、連用修飾語になるもの。活用はできない。
(例)少し買う:「少し」は「買う(用言)」を修飾しているので、副詞。
④接続詞:自立語のなかで主語になることができない。かつ、接続語になるもの。活用はできない。
⑤感動詞:自立語のなかで主語になることができない。かつ、独立語になるもの。活用はできない。
⑥動詞:自立語のなかで述語(用言)になることができる。かつ、ウ段で終わるもの。活用ができる。
⑦形容詞:自立語のなかで述語(用言)になることができる。かつ、「い」で終わるもの。活用ができる。
⑧形容動詞:自立語のなかで述語(用言)になることができる。かつ、「だ」「です」で終わるもの。活用ができる。
⑨助詞:付属語のなかで活用ができないもの。
⑩助動詞:付属語のなかで活用ができるもの。
名詞(練習問題)
「次の各文から名詞を書き抜きなさい。」
①弟が買ったプリンを食べる。
答え⇒弟・プリン
※品詞は全て単語なので、単語で切らなければいけません。
「弟が」「プリンを」と答えを書いてしまうと、文節で切っていることになり不正解となりますので注意しましょう。
②家族と京都へ旅行に行く。
答え⇒家族・京都・旅行
「行く」は「行こう」「行かない」など、言い方が変わる(活用がある)ので名詞にはならず、動詞となります。
③本を四冊買ってきた。
答え⇒本・四冊
④姉は東京都に住んでいる。
答え⇒姉・東京都
「次の文中でマーカー部分は主語・述語・修飾語・独立語のうちのどの働きをしているか。」
①星がきれいに輝いている。
答え⇒主語
この問題では、「主語」「述語」など文節の働きを答える問題なので、「星が」まで線が引かれていますね。品詞の場合は単語で分ける、「~語」の場合は文節で分けることを覚えておきましょう。
下に「が」「は」「こそ」が付いている場合は基本的に主語となります。
②昨日、公園に行った。
答え⇒修飾語
下に「の」「を」「に」が付いている場合は基本的に修飾語となります。
③富士山、それは日本で一番高い山だ。
答え⇒独立語
名詞の直後に読点(、)が付いている場合は基本的に独立語となります。
名詞以外の単語(「ああ、」「こら、」など)の後に読点(、)が付いている場合は基本的に感動詞になります。
独立語と感動詞を見分けられるようにしておきましょう。
④琵琶湖は日本で最も大きい湖です。
答え⇒述語
「です」「だ」が下に付いている場合は、基本的に述語になります。
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